文献詳細
増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
血液疾患治療薬 免疫抑制薬
文献概要
本剤は1970年,ノルウェーの高原土壌から分離された真菌の混合代謝産物中に発見された免疫抑制作用をもつ物質である.わが国においては1986年より,腎移植・骨髄移植における拒絶反応および移植片宿主病の抑制に使用されはじめ,翌年にはベーチェット病の眼症状に,1991年には肝移植に,さらに1992年には乾癬に対して適応となってきた.血液疾患に対しては,1995年,再生不良性貧血と赤芽球癆に対して効能・効果の追加が行われ,これらの疾患に対して使用可能となっている.再生不良性貧血は様々な原因によって起こる造血障害であるが,その詳細は明らかとはなっていない.幹細胞そのものの異常,造血微小環境の異常,免疫異常などが考えられている.
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