文献詳細
文献概要
iatrosの壺
電解質補正時の注意
著者: 宮下綾1 中元秀友1 鈴木洋通1
所属機関: 1埼玉医科大学腎臓病センター
ページ範囲:P.304 - P.304
文献購入ページに移動症例は74歳女性で,数年前より腎機能障害を指摘されていた.しかし,腎機能障害がどの程度であるのかは不明であった.腰痛にて近医を受診したところ,鎮痛薬の投与を受けたが痛みは軽減しなかった.数日後には手足のしびれを自覚した.他院を受診したところ,高K血症(血清K値8.5mEq/l),さらに心電図上心室細動をみたため,直ちにグルコース—インスリン療法が開始された.このときインスリン5単位に対して5%ぶどう糖500ccで輸液が行われた.約2,500ccを12時間輸液したところで血清K値は6.4mEq/lと低下しNaは120mEq/lで心電図上も洞性頻脈であった.その1時間後に患者の意識が低下していることが看護婦から報告された.そこで血清Na値を測定したところ117mEq/lであった.
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