文献詳細
増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
代謝・栄養障害治療薬 糖尿病合併症治療薬
文献概要
臨床薬理
●作用機序:メコバラミンはホモシステインからメチオニンが合成される際,補酵素として働く.さらに,生体内メチル基転移を促進することにより,核酸合成に関与し,転移RNAのメチル化を促進し,蛋白合成を促進させる.これらの過程は軸索骨格蛋白合成に影響する.一方,髄鞘の主要成分であるレシチンがセファリンより合成される際のメチル基転移反応に関与するS—アデノシルメチオニンの合成にも関与しているので,ビタミンB12欠乏で神経障害が惹起されることは想像に難くない.さらに,糖尿病では血中および坐骨神経のB12濃度の低下が報告されている.しかし,糖尿病性神経障害(DN)の発症機序にB12欠乏の関与が大きいとは考えられない.現在,DNに対するメコバラミンの治療効果の作用機序については不明な点が多いが,糖尿病ラットを用いた検討では,神経伝導速度低下の阻止,坐骨神経有髄神経線維密度の低下,線維直径の小径化,自律神経無髄線維の軸索病変などの改善が報告されている.しかし,神経ソルビトール高値,ミオイノシトール低値,神経Na+/K+—ATPase活性低値については改善しない.
●血中濃度モニタリング:血中濃度をモニターして個々の患者の治療に利用する意義は低い.
●作用機序:メコバラミンはホモシステインからメチオニンが合成される際,補酵素として働く.さらに,生体内メチル基転移を促進することにより,核酸合成に関与し,転移RNAのメチル化を促進し,蛋白合成を促進させる.これらの過程は軸索骨格蛋白合成に影響する.一方,髄鞘の主要成分であるレシチンがセファリンより合成される際のメチル基転移反応に関与するS—アデノシルメチオニンの合成にも関与しているので,ビタミンB12欠乏で神経障害が惹起されることは想像に難くない.さらに,糖尿病では血中および坐骨神経のB12濃度の低下が報告されている.しかし,糖尿病性神経障害(DN)の発症機序にB12欠乏の関与が大きいとは考えられない.現在,DNに対するメコバラミンの治療効果の作用機序については不明な点が多いが,糖尿病ラットを用いた検討では,神経伝導速度低下の阻止,坐骨神経有髄神経線維密度の低下,線維直径の小径化,自律神経無髄線維の軸索病変などの改善が報告されている.しかし,神経ソルビトール高値,ミオイノシトール低値,神経Na+/K+—ATPase活性低値については改善しない.
●血中濃度モニタリング:血中濃度をモニターして個々の患者の治療に利用する意義は低い.
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