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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

iatrosの壺

腎不全とくすり

著者: 橋本泰樹1

所属機関: 1愛仁会高槻病院内科

ページ範囲:P.385 - P.385

文献概要

 多くの薬物は肝で代謝され,活性型または不活性型の代謝産物に変わる.代謝産物の排泄経路が主に腎を経由する場合は,腎障害時に蓄積をきたすため注意が必要である.腎不全時に薬を処方する際に,通常の用量を処方し,思わぬ副作用に遭遇した経験をもつ方も多いはずである.さらに厄介なのは,これらの薬剤による副作用が惹起されても,それがまったく認識されていない場合である.当然,この場合は延々とその薬の投与が続けられる結果となる.
 すべての薬物の代謝,排泄を覚えることは不可能であり,さらに個々の患者における代謝過程の個人差,吸収の程度,血漿アルブミンとの結合率を考慮すると,話は一層複雑である.添付文書には,腎障害時には減量が必要と書いてあっても,具体的な量が記されていない場合が多い.また,すべての薬剤について,製薬会社のインフォメーション担当者に問い合わせるのも時間がかかり,現実的な方法とは思えない.日常使用頻度の高い薬剤について腎不全時の大まかな投与量を知っていることが理想的であるが,これには時間と経験が必要である.そこで以下のことをお勧めしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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