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増刊号 Common Drugs 350の投与戦略 腎疾患治療薬 抗血小板薬(腎不全進行阻止・蛋白尿治療薬)
ペルサンチン(日本ベーリンガー)
著者: 高橋剛1
所属機関: 1東京逓信病院腎臓内科
ページ範囲:P.401 - P.402
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●作用機序:本剤が血小板機能を抑制するメカニズムとして,次の3つが考えられている.①血小板のホスポジエステラーゼを阻害し,血小板内のcyclic AMP濃度を高め,直接血小板機能を抑制する.②血管内皮細胞に作用してPG-I2分泌を刺激する.③流血中のアデノシンの細胞(赤血球,内皮)内取り込みを抑制し,血管内皮—血小板接面でのアデノシン濃度を高める.アデノシンはA2レセプターを介して血小板内のcyclic AMP産生を刺激する.
この3つの機序のうち,どれが薬理作用の主体をなすかについては結論が出ていない.しかし③以外は,常用量のペルサンチン®経口摂取では到達できない高濃度での作用である.in vivoの試験では,本剤単独での抗血小板作用はみられないとの報告が多い1).さらに,塩酸チクロピジン,シロスタゾール(①の作用をもつ)など他の抗血小板薬に,蛋白尿減少作用はみられない.したがって今のところ,薬理作用の主体は③と考えてよいと思われる.
●作用機序:本剤が血小板機能を抑制するメカニズムとして,次の3つが考えられている.①血小板のホスポジエステラーゼを阻害し,血小板内のcyclic AMP濃度を高め,直接血小板機能を抑制する.②血管内皮細胞に作用してPG-I2分泌を刺激する.③流血中のアデノシンの細胞(赤血球,内皮)内取り込みを抑制し,血管内皮—血小板接面でのアデノシン濃度を高める.アデノシンはA2レセプターを介して血小板内のcyclic AMP産生を刺激する.
この3つの機序のうち,どれが薬理作用の主体をなすかについては結論が出ていない.しかし③以外は,常用量のペルサンチン®経口摂取では到達できない高濃度での作用である.in vivoの試験では,本剤単独での抗血小板作用はみられないとの報告が多い1).さらに,塩酸チクロピジン,シロスタゾール(①の作用をもつ)など他の抗血小板薬に,蛋白尿減少作用はみられない.したがって今のところ,薬理作用の主体は③と考えてよいと思われる.
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