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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

iatrosの壺

胸腔ドレナージあれこれ

著者: 平田正弘1

所属機関: 1公立南丹病院内科

ページ範囲:P.415 - P.415

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 日常臨床において気胸,胸水貯留,血胸,膿胸などにしばしば遭遇し,ドレナージを必要とすることも多い.その際,air spaceやeffusion spaceが大きい場合はカテーテルの挿入が容易であるが,狭い場合や胸膜の癒着がある場合には困難を感じることが少なくない.最近では確実に,しかも容易に刺入できるキットが市販されている.アーガイル,トロッカーアスピレーションキット8F,20cmやTurner pneumothorax tube 6.3Fなどは非常に便利である.前者にはチューブ内に超小型のハイムリッヒ弁が2個埋め込まれている.刺入の容易さを強調したが,air leakが多い場合や膿や血液で粘稠なときはもちろん太いカテーテルを入れるべきである.しかし最近では,全身状態の不良な高齢者に,内科で,しかもベッドサイドで挿入を必要とする症例が増加する傾向にある.エコーで刺入路を決めて狭いスペースにも留置できる,さらに便利なカテーテルを紹介する.
 中心静脈用のアーガイルcvカテーテルセルジンガーキット14G,16Gで穿刺針の外套は細く,J型ガイドワイヤー付きなので5〜10mmのスペースがあれば留置できる.できれば尖端から10cm,15cmの位置を指で折り曲げて組織用鋏に小孔を開けておくとドレナージの効率がよい.このときカテーテルの断裂を防ぐため,小孔はカテーテルの全周の3分の1以下に留め,抜去時には愛護的にゆっくり引き抜くことが大切である.ドレナージは自然流出が基本だが,洗浄や抗ガン剤,癒着剤の注入が必要なこともある.このときの2本目のラインとしても,あるいはこれ1本でも重宝する.ドレーンバッグとの接続が一致せぬときは点滴セットのタコ管を紡錘コネクターの代わりに用いるとよい.唯一の欠点は中心静脈用なので健康保険で認められていないことにある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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