icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

iatrosの壺

アロプリノールによりStevens—Johnson症候群を発症した一症例

著者: 山崎正行1

所属機関: 1徳島逓信病院内科

ページ範囲:P.427 - P.427

文献購入ページに移動
 症例:64歳,女性.約10年前より肝障害あり.1994年1月上旬,感冒症状が遷延し,全身浮腫,腹水貯留,母趾基関節痛にて来院.肝硬変症に高尿酸血症,原発性甲状腺機能低下症を合併し,利尿薬アロプリノール(AP)を投与した.投与4日目より頬部に掻痒性紅斑,口唇に水疱,血痂が出現.全薬剤を中止後,ステロイド投与により2週間後に皮疹は軽快.貼布試験,リンパ球刺激試験にては原因薬剤が同定できず,APを1/10錠再投与後,顔面を中心に滲出性紅斑が出現し,同薬剤によるStevens—Johnson(SJ)症候群と診断した.
 APは尿酸生成抑制薬として高尿酸血症治療に広く使われている.しかし,発熱,消化器症状など比較的軽度なものから,腎不全,敗血症,意識障害を伴う中枢神経障害など重症の副作用もみられ,時には重篤なSJ症候群や,中毒性表皮壊死も報告されている.腎不全では薬疹が20%に出現しており,漫然とした使用は避けなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら