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iatrosの壺
レンチナンにより血小板増加が認められた特発性血小板減少性紫斑病(ITP)および胃癌の合併例
著者: 篠原正幸1
所属機関: 1徳島県厚生連阿南共栄病院内科
ページ範囲:P.455 - P.455
文献購入ページに移動 患者は65歳女性.6年前より近医でITPと診断され,摘脾後,ステロイド薬の投与を受けていたが,大腿骨頭壊死が出現したためステロイド薬の服用は中止していた.平成4年2月,旅行中に鼻出血があり,耳鼻科を受診したがショックとなったため内科に紹介された.
初診時,ヘモグロビンは5.3g/dl,赤血球数は172×104/μl,血小板数は0.6×104/μlであった.濃厚赤血球輸血を行いショックは回復したが,貧血の改善が遅いため上部消化管内視鏡検査を行ったところ,胃前底部にボールマンIII型の潰瘍がみられ,毛細管性出血が認められた.トロンビンの散布,高張Na—エピネフリン液の局注を繰り返したが止血せず,γ—グロブリンの大量投与,HLA適合血小板輸血を行ったが血小板数も増加しなかった.潰瘍の生検結果は低分化型腺癌であった.手術,抗癌剤の投与は不可能と判断し,免疫化学療法としてレンチナンの単独投与(2mg/週)を行ったところ,投与2週後には血小板数は5.2×104/μlまで上昇し,内視鏡でも潰瘍からの出血は止血していることが確認された.その後も血小板数は5.0×104/μl前後に安定し,貧血の改善もみられたため自宅近くの病院へ転院した.
初診時,ヘモグロビンは5.3g/dl,赤血球数は172×104/μl,血小板数は0.6×104/μlであった.濃厚赤血球輸血を行いショックは回復したが,貧血の改善が遅いため上部消化管内視鏡検査を行ったところ,胃前底部にボールマンIII型の潰瘍がみられ,毛細管性出血が認められた.トロンビンの散布,高張Na—エピネフリン液の局注を繰り返したが止血せず,γ—グロブリンの大量投与,HLA適合血小板輸血を行ったが血小板数も増加しなかった.潰瘍の生検結果は低分化型腺癌であった.手術,抗癌剤の投与は不可能と判断し,免疫化学療法としてレンチナンの単独投与(2mg/週)を行ったところ,投与2週後には血小板数は5.2×104/μlまで上昇し,内視鏡でも潰瘍からの出血は止血していることが確認された.その後も血小板数は5.0×104/μl前後に安定し,貧血の改善もみられたため自宅近くの病院へ転院した.
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