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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

増刊号 Common Drugs 350の投与戦略 感染症治療薬 その他の殺菌性抗生物質

塩酸バンコマイシン(塩野義)

著者: 長谷川廣文1

所属機関: 1近畿大学医学部第3内科

ページ範囲:P.479 - P.481

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臨床薬理
●作用機序:塩酸バンコマイシン(VCM)は,Streptomyces orientalisから分離された分子量1,486のグリコペプチド系抗生物質である.VCMの作用機序は,細胞壁合成の初期過程においてムレインのD-alanil-D—alanineに水素結合して,ムレイン架橋酵素と基質との結合を阻害する1).したがって,VCMの抗菌スペクトラムは,メチシリン耐性ブドウ球菌(methicillin-resistant Sta-phylococcus aureus;MRSA)も含めたブドウ球菌属,連鎖球菌属,腸球菌属,クロストリジウム属などの好気性および嫌気性のグラム陽性菌に抗菌力を示すが,D-alanil-D—alanineの部位が外膜に覆われているグラム陰性桿菌にはほとんど抗菌力を示さない2).VCMに対する耐性菌は,黄色ブドウ球菌では報告がみられていないが,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌や腸球菌属では欧米を中心に報告がみられており,今後本邦でも注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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