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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

増刊号 Common Drugs 350の投与戦略 感染症治療薬 抗ウイルス薬

デノシン(田辺)

著者: 谷憲三朗1

所属機関: 1東京大学医科学研究所内科

ページ範囲:P.503 - P.504

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臨床薬理
●作用機序:ガンシクロビル(9—〔1,3—ジヒドロキシ−2—プロポキシメチル〕グアニン)は2´デオキシグアノシンの類似体である.ウイルス特異的チミジンキナーゼの作用により,主にウイルス感染細胞でガンシクロビル1リン酸に変換され,さらに細胞内酵素によりガンシクロビル3リン酸になり,その後ウイルスDNAポリメラーゼに結合し,ウイルスDNA鎖の合成を停止させる.ガンシクロビルはウイルス感染細胞に選択的に取り込まれるため,細胞内でのガンシクロビル3リン酸の濃度は,非感染細胞の約10倍になる.さらに,ガンシクロビル3リン酸の抗ウイルス作用は,①ウイルスDNAポリメラーゼの競合阻害,②ウイルスDNAへの直接的組み込みによりDNA鎖の伸長自身を中断させること,によると考えられている.宿主細胞のDNAポリメラーゼα活性も阻害するが,そのためにはウイルスDNAよりも高濃度のガンシクロビル3リン酸を必要とする.抗ウイルス活性は,サイトメガロウイルス(CMV),I型単純ヘルペス(HSV−1),II型単純ヘルペス(HSV−2),帯状疱疹ウイルス(VZV),EBウイルスに対してもっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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