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カラーグラフ 塗抹標本をよく見よう・12
白血病(2)
著者: 久保西一郎1 藤田智代2 森澤美恵2 浜田恭子3 高橋功4 三好勇夫1
所属機関: 1高知医科大学第3内科 2高知医科大学附属病院中央検査部 3高知県立中央病院血液検査科 4高知県立中央病院内科
ページ範囲:P.2387 - P.2391
文献購入ページに移動図1は急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia:AML),FAB分類M0(minimally differentiated acute myelocytic leukemia)の末梢血塗抹標本である.細胞質の比較的乏しい均一な芽球が出現している.ペルオキシダーゼ染色を行うと,図2のようにこれらの芽球は陰性であった.急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia:ALL),FAB分類L2との区別は形態的には困難であったが,マーカーの検索を行うとCD 7が98%,CD13が38%,CD33が22%陽性と,骨髄性のマーカーを有していることが分かりAML-M0と診断した.図3は別のAML-M0症例の骨髄塗抹標本である.ペルオキシダーゼ染色は,図4のように芽球では陰性であった.マーカーの検索で,骨髄性のマーカーであるCD13が85%,CD33が17%陽性であることが判明し,AML-M0と診断された.FAB分類でいうAML-M0はペルオキシダーゼ反応陰性,リンパ性抗原陰性,骨髄性抗原陽性の未分化な細胞からなるAMLとされている.CD7は骨髄系細胞にも発現されることが知られており,AML-M0の診断に際し陽性であってもよいとされている.
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