icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina33巻3号

1996年03月発行

文献概要

今月の主題 肝疾患Q&A 肝疾患の疫学と機序

医療従事者の職場感染によるウイルス肝炎は劇症化しやすいか

著者: 小坂義種1 為田靱彦1 高瀬幸次郎2

所属機関: 1三重大学医学部臨床検査医学 2三重大学第1内科

ページ範囲:P.432 - P.434

文献購入ページに移動
ポイント
●1987年,三重大学小児科病棟で2名の医師と1名の看護婦がB型急性肝炎に罹患し,うち医師2名が劇症肝炎で死亡した.この2名の劇症肝炎患者の血清中のB型肝炎ウイルスの遺伝子学的解析の結果pre-core領域の変異がみられた.
●この出来事を契機として,医療従事者に対するワクチンの接種が普及し,その後医療従事者におけるB型肝炎の発生は激減している.
●特に,医療従事者で肝炎が劇症化しやすいとの成績はなく,単に感染の機会の多いことが劇症肝炎の多い原因と考えられる.
●最近では針刺し事故後のC型急性肝炎発生の報告が多く,今後感染予防対策が必要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?