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文献概要
今月の主題 肝疾患Q&A 肝疾患の治療
どのような状況でTIPSは最も有用か
著者: 磯部義憲1
所属機関: 1北里大学医学部放射線科
ページ範囲:P.524 - P.528
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●TIPSの適応は,①内視鏡的治療で止血が困難であった静脈瘤からの急性出血例,②内視鏡的治療に抵抗性または再出血を繰り返す治療困難例,とされる.
●欧米では,肝硬変症で肝移植予定患者に対して,術前,側副血行路を減少させ,手術時の出血量を減少させる目的で施行されている.
●難治性の腹水や,Budd-Chiari症候群のような肝静脈側の閉塞による門脈圧亢進症も適応とされる.
●合併症には,①手技的合併症:腹腔内出血,胆道出血,ステントの屈曲・逸脱など,②機能的合併症:肝性脳症,肝不全,腎不全(少ない),心不全(少ない),などがある.
●禁忌は,①高度肝硬変例(欧米ではChild-Pugh score 12点以上とされる.本邦ではまだ検討の余地がある),②腎機能不全例(術後,透析となる可能性があっても,適応と判断されたならその範疇ではない),③高度心不全例(特に難治性腹水例では術後,急激な循環血液量の増加,中心静脈圧の上昇をきたす),④肝内胆管拡張例,肝内門脈血栓,穿刺経路に腫瘍が存在するもの,などである.
●残された問題点として,肝内門脈血流の低下が肝機能に及ぼす影響がある.
●長期予後を左右するものとして,①高度肝硬変症における肝機能的にみた適応の限界,②ステントの開存期間,などがある.
●TIPSの適応は,①内視鏡的治療で止血が困難であった静脈瘤からの急性出血例,②内視鏡的治療に抵抗性または再出血を繰り返す治療困難例,とされる.
●欧米では,肝硬変症で肝移植予定患者に対して,術前,側副血行路を減少させ,手術時の出血量を減少させる目的で施行されている.
●難治性の腹水や,Budd-Chiari症候群のような肝静脈側の閉塞による門脈圧亢進症も適応とされる.
●合併症には,①手技的合併症:腹腔内出血,胆道出血,ステントの屈曲・逸脱など,②機能的合併症:肝性脳症,肝不全,腎不全(少ない),心不全(少ない),などがある.
●禁忌は,①高度肝硬変例(欧米ではChild-Pugh score 12点以上とされる.本邦ではまだ検討の余地がある),②腎機能不全例(術後,透析となる可能性があっても,適応と判断されたならその範疇ではない),③高度心不全例(特に難治性腹水例では術後,急激な循環血液量の増加,中心静脈圧の上昇をきたす),④肝内胆管拡張例,肝内門脈血栓,穿刺経路に腫瘍が存在するもの,などである.
●残された問題点として,肝内門脈血流の低下が肝機能に及ぼす影響がある.
●長期予後を左右するものとして,①高度肝硬変症における肝機能的にみた適応の限界,②ステントの開存期間,などがある.
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