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雑誌目次

雑誌文献

medicina33巻4号

1996年04月発行

雑誌目次

今月の主題 皮膚科から内科医へのアドバイス Introduction

皮膚の診察のすすめかた

著者: 早川和人

ページ範囲:P.628 - P.629

ポイント
●皮膚の診察は十分な明るさのもとで行う.
●発疹を観察するときは,個々の発疹だけでなく,発症部位,分布,配列に注目する.
●発疹を言葉で表現し,記載することに慣れる必要がある.
●発疹を生じるプロセスを常に考えながら診察をすすめるべきである.

皮膚症状をみて何を考えるか

紫斑

著者: 斉藤隆三

ページ範囲:P.631 - P.633

ポイント
●紫斑の診断にあたっては性状(点状か斑状か,浸潤の有無),出現した状況,分布を観察する.
●粘膜出血など皮膚以外の臓器出血の有無を確認する.
●紫斑以外の皮膚症状,全身症状があるか否か.
●既往歴,家族歴から出血性素因の有無をみる.
●出血性素因としての一般検査を施行する.
●上述の点について異常のないものに血管性紫斑がある.

水疱

著者: 飯田孝志 ,   村松勉

ページ範囲:P.634 - P.636

ポイント
●水疱とは「皮膚組織に間隙が形成され,そこに血清,血液,リンパ液,細胞外液などの液体が貯留したもの」と定義する.
●水疱の原因になり得る疾患は極めて多岐にわたる.
●水疱は組織学的に角層下水疱,表皮内水疱,表皮下水疱に分類することができる.
●水疱についての検査法には真菌検査,Tzanck試験,光線過敏性試験,病理組織学的検査,蛍光抗体法,電子顕微鏡などがある.

膠原病の発疹のみかた

著者: 衛藤光

ページ範囲:P.637 - P.640

ポイント
●膠原病に伴う皮膚病変には,疾患特異的皮膚病変と,非特異的皮膚病変がある.
●非特異的皮膚病変には,循環障害性皮膚病変,紅斑,紫斑,湿疹・皮膚炎,および角化異常などがある.
●SLE(全身性エリテマトーデス)では,循環障害性皮膚病変や日光過敏など,多彩な皮膚病変が出現する.
●強皮症では,レイノー症状が初発症状であることが多い.
●皮膚筋炎では,不定の紅斑や眼瞼浮腫が先行することが多い.
●Sjögren症候群では,眼瞼炎,口角炎,不定の紅斑,歯周囲炎・う歯が先行する.また,皮脂欠乏性皮膚炎,高γ-グロブリン血症性紫斑も重要である.

黄色腫のみかた

著者: 松尾聿朗

ページ範囲:P.641 - P.643

ポイント
●黄色腫は組織学的に脂肪滴を含んだ黄色腫細胞の集簇で,臨床像から結節型,発疹型,扁平型に分けられる.
●高脂質血症を伴う黄色腫と,リポ蛋白代謝異常を認めない正脂質血症性黄色腫とがある.
●一般に結節型は高コレステロール血症,発疹型は高トリグリセリド血症を伴い,前者は治療に抵抗性,後者は血清脂質の改善とともに消退する.
●正脂質血症性黄色腫は稀で,扁平型を呈するものが多い.

ウイルス性急性発疹症の皮疹

著者: 日野治子

ページ範囲:P.644 - P.646

ポイント
●ウイルス感染症は多彩な皮疹を呈することが多い.
●皮疹は特異的な場合も非特異的な場合もある.
●皮疹を呈する患者の場合は,薬疹・感染症などをまず疑い,血清保存,ペア血清にて抗体価の上昇を確認する.
●サーベイランスなどによって疾患の流行などを知っておく必要がある.

薬疹のみかた

著者: 畑三恵子 ,   矢島純 ,   本田光芳

ページ範囲:P.648 - P.650

ポイント
●以前安全に使用した薬剤によっても,アレルギー性薬疹は生じる.
●アレルギー性薬疹を生ずるまでの感作成立期間は,最低5~7日である.
●原因薬剤と化学構造式が類似した薬剤では,使用経験がなくても交叉反応により薬疹を生じる可能性がある.
●薬剤の種類と発疹の間には多少の親和性が認められるが,薬疹の病型から原因薬剤を推定することは危険性が極めて高い.
●原因薬剤が同一であっても,固体により異なった薬疹の病型をとる.

内科と皮膚科の境界領域

Sweet病

著者: 繁益弘志

ページ範囲:P.652 - P.653

ポイント
●Sweet病は顔面,項頸部,四肢に好発する単発ないし多発性の有痛性隆起性紅斑である.
●通常,抗生剤不応の発熱(38〜39℃)を伴う.
●通常,末梢血好中球の増多を認めるほか,血沈,CRPの上昇が認められる.
●組織学的には皮疹部,特に真皮内における好中球主体の細胞浸潤を特徴とし,しばしば核破片を混じるが,壊死性血管炎を認めない.
●ステロイド内服によく反応するが,ヨードカリ内服も有効で,コルヒチン,DDS(dia-phenylsulfone)の内服も奏効する場合がある.
●しばしば悪性腫瘍(特に白血病,骨髄異形成症候群などの血液疾患),膠原病など全身性疾患に合併する.

ライム病

著者: 馬場俊一

ページ範囲:P.654 - P.656

ポイント
●マダニに媒介されるBorrelia burgdorferiの全身性感染症である.
●初期症状の慢性遊走性紅斑は疾患特異性が高く,本症の象徴的皮疹である.
●血清診断を行うが,偽陽性や偽陰性があり,複数の方法あるいは経時的測定で確認する.
●早期は適切な抗生物質治療で完治する.晩期では器質的障害が残るが,治療で改善される.

サルコイドーシス

著者: 和泉達也

ページ範囲:P.658 - P.659

ポイント
●サルコイドーシスの皮膚病変は全サルコイドーシスの10〜30%程度にみられる.
●サルコイドーシスが疑われる患者に対しては瘢痕浸潤の有無をチェックする.
●皮膚サルコイドはサルコイドーシスの特異的な皮膚病変で,病理学的には非乾酪性類上皮細胞肉芽腫像をみる.
●皮膚サルコイドは,基本的には積極的に治療を行わず経過観察する.

Behçet病

著者: 小松威彦

ページ範囲:P.661 - P.663

ポイント
●厚生省ベーチェット病研究班診断基準によれば,本症の症状は4主症状と5副症状に分けられている.
●4主症状は口腔内アフタ,皮膚症状,眼症状,外陰部潰瘍である.
●5副症状は関節炎,副睾丸炎,消化器病変,血管病変,中枢神経病変である.
●皮膚症状には結節性紅斑(下腿に好発し,散在多発する類円形有痛性皮下硬結),皮下の血栓性静脈炎(四肢に好発する索状の皮下硬結),毛嚢炎様・痤瘡様皮疹(顔面・前胸部・背部に好発する小膿疱〜紅色小丘疹)などがある.

Recklinghausen病

著者: 本田まりこ ,   新村眞人

ページ範囲:P.665 - P.668

ポイント
●神経線維腫症(neurofibromatosis;NF)の遺伝子が近年クローニングされ,大きく2型に分類されている.
●NF1は多発性の神経線維腫,色素斑を主徴とし,骨変化,脳腫瘍,脊髄腫瘍,眼病変,貧血母斑,母斑性黄色内皮腫など多彩な症候がみられる優性遺伝性疾患で,その遺伝子は17q11.2に座位する.
●NF2は神経鞘腫が多発する優性遺伝性疾患で,両側性聴神経腫瘍が特徴になっているが,必発ではない.神経鞘腫以外に髄膜腫を合併することがある.皮膚の色素斑もカフェ・オ・レ斑のような特徴的なものではなく,その遺伝子は22q12.1に座位する.
●両疾患は混同されていることが多いが,NF2のほうが予後が悪い.

アレルギー性肉芽腫症(Churg-Strauss病)

著者: 北島拓弥

ページ範囲:P.669 - P.671

ポイント
●アレルギー性肉芽腫症は皮疹が多彩であり,下腿,足背,足趾,足底,手指に好発する.臨床的には喘息症状が先行し,末梢血液所見では好酸球増多をほぼ全例に認める.
●病理組織学的所見は,著明な好酸球浸潤を伴う壊死性血管炎と血管外肉芽腫を特徴とする.特徴的な病理学的所見が皮膚で認められないときは,他組織の生検が必要である.血管炎の所見がみられないときは,連続切片の作成が望ましい.
●鑑別すべき疾患としては,結節性動脈周囲炎,好酸球増多症候群,Wegener肉芽腫症がある.
●治療としては,ステロイド療法や免疫抑制剤が有効である.

HCV感染と皮膚症状

著者: 秋山真志

ページ範囲:P.672 - P.673

ポイント
●急性のHCV感染者にみられる皮膚症状として,躯幹,四肢,顔面の再発性丘疹性紅斑,蕁麻疹,および蕁麻疹様紅斑などがある.
●慢性のHCV感染との関連が報告されている皮膚疾患には,皮膚の壊死性血管炎(クリオグロブリン血症による),晩発性皮膚ポルフィリン症,扁平苔癬,結節性紅斑,脂肪織炎,蕁麻疹,多型紅斑,皮膚掻痒症などがある.

内臓悪性腫瘍と皮膚症状

著者: 海老原全

ページ範囲:P.675 - P.677

ポイント
●内臓悪性腫瘍のデルマドロームの非特異的皮膚病変は腫瘍随伴性皮膚病変群,paraneoplastic skin manifestationと呼ばれる.
●腫瘍随伴性皮膚病変群には,ホルモン・酵素障害,免疫反応,免疫能低下によるウイルス感染,発癌物質曝露による病変などが含まれる.
●皮疹は紅斑に角化異常,水疱,色素沈着などが複合して認められ,掻痒を伴うことが多い.
●治療抵抗性,異常な形・分布の皮疹をみた場合は,内臓悪性腫瘍の潜在を疑う必要がある.

AIDSにおける皮膚症状

著者: 赤城久美子

ページ範囲:P.679 - P.681

ポイント
●AIDSにおける皮膚症状は,①感染性疾患,②二次性悪性腫瘍,③その他の皮膚病変に大別される.
●感染症はウイルスと真菌が主で,帯状疱疹,単純疱疹,カンジダ症,白癬の頻度が高い.
●カポジ肉腫は男性同性愛者がほとんどで,局在していれば放射線療法が奏効する.
●脂漏性皮膚炎,薬疹,掻痒性丘疹の多発もよくみられる.

内科医が知っておきたい皮膚疾患

成人型アトピー性皮膚炎

著者: 今山修平

ページ範囲:P.683 - P.685

ポイント
●近年,アトピー性皮膚炎は成人にも多く,難治患者の多くは青壮年の男女である.
●患者には,従来ならば小児期までに軽快していたはずのものが成人になっても存続している例と,成人の初発例とがある.
●成人患者では顔面はほぼ必発.頸・躯幹・上肢・手を中心に広範囲に紅斑病変をきたし,時には全身の紅皮症となる.また,様々の程度に色素沈着を伴う.
●全例に共通する異常は激烈な痒みと掻爬行為,結果としての皮膚病変(紅斑,湿疹,痒疹など)の形成が特徴である.
●稀ではあるが,初期の菌状息肉症は最も重要な鑑別疾患である.
●白内障と網膜剥離の予防のために定期的に眼科を紹介し,また急な増悪時には皮膚科へ紹介する.

接触皮膚炎

著者: 戸倉新樹

ページ範囲:P.686 - P.688

ポイント
●接触皮膚炎の皮疹の性状は多彩であり,水疱を形成するほどの症状の激しいものから,軽度の紅斑,落屑性皮疹を示す穏やかなものまである.
●法療方針の第一歩は原因物質の追求であり,特に慢性に経過する患者では重要となる.
●薬剤療法は症状の程度に応じて選択し,副腎皮質ホルモンの内服が必要な場合からステロイド外用剤の塗布のみで治癒する場合まである.

皮膚瘙痒症

著者: 高橋慎一

ページ範囲:P.690 - P.691

ポイント
●皮膚瘙痒症とは,皮膚に他の瘙痒性皮膚疾患が全く存在せず,瘙痒のみを訴える状態である.したがって本症の診断では,全身の皮膚を詳細に観察し,他の皮膚疾患を否定する必要がある.ただし,本症においては掻爬による掻爬痕や苔癬化などの続発疹を認めることがある.
●皮膚瘙痒症では,糖尿病,胆汁うっ滞,慢性腎不全,悪性腫瘍といった内科的異常,精神疾患および薬剤などが原因となることがある.
●まず,基礎疾患や原因薬剤の有無を検索し,その治療を行うことが最も重要である.さらに,抗ヒスタミン剤を中心に瘙痒に対する対症療法を行う.

乾癬

著者: 小林仁 ,   大河原章

ページ範囲:P.692 - P.694

ポイント
●乾癬は遺伝的背景を基盤とする慢性増殖性炎症性疾患で,極めて難治性.
●乾癬は赤いかさかさした皮疹を主徴とし診断は比較的容易であるが,鑑別すべき疾患も数多くある.専門的診断能力も必要.
●長期にわたる治療・経過観察には,患者の理解と,安全性の高い治療が基本.
●安易な薬物療法は禁物.特に副腎皮質ホルモン,シクロスポリン,エトレチナートなど.
●内科的主訴,合併症で乾癬患者が受診する場合もある.
●患者の悩みに対応し,診察・検診時の配慮が必要.

蕁麻疹

著者: 杉俊之

ページ範囲:P.696 - P.697

ポイント
●蕁麻疹は皮膚の一過性,表在性,限局性の浮腫である.
●膨疹は通常激しい掻痒を伴い,数時間以内に消退する.
●本邦では皮疹の出没が1ヵ月以上にわたるものを慢性蕁麻疹,それまでに消退するものを急性蕁麻疹と呼ぶ.
●原因は多岐にわたり,特に慢性蕁麻疹では原因物質,発症機序が不明な場合が多い.●治療は抗ヒスタミン剤,抗アレルギー剤の内服療法が中心となる.

白癬

著者: 加藤卓朗

ページ範囲:P.698 - P.700

ポイント
●白癬で最も多いのは足白癬であるが,爪,手,生毛部,いわゆる深在性白癬などの病型もある.また,ステロイド剤外用により非典型的な臨床像を呈する症例が増えている.
●白癬の診断において最も重要な検査は直接鏡検である.顕微鏡さえあれば外来で行え,すぐに結果がわかる簡便な検査である.本検査なしで治療を行うべきではない.
●白癬の治療の基本は抗真菌剤外用であり,イミダゾール系をはじめとして新しい薬剤が新規発売された.一方,角質増殖型足白癬,爪白癬,いわゆる深在性白癬,広範囲・難治性の白癬では経口剤の適応となり,最近イトラコナゾールが発売された.

疥癬

著者: 大滝倫子

ページ範囲:P.701 - P.703

ポイント
●疥癬はヒゼンダニが皮膚の角層に寄生して起こす皮膚感染症の一つで,病型により普通の疥癬とノルウェイ疥癬の2型がある.
●現在,疥癬の流行期にあり,老人施設での集団発生が多い.感染源の多くはノルウェイ疥癬患者であり,隔離し,感染機会のあった者はすべて治療の対象とする.
●疥癬治療薬は硫黄剤,安息香酸ベンジル,クロタミトンなどがある.普通の疥癬では頸部より下の全身に,ノルウェイ疥癬では頭頸部も含め全身に塗布する.雌を除き雄や幼虫など,所在を特定できないためである.
●ヒゼンダニが死滅するまではステロイド剤を使ってはいけない.
●掻痒を訴える患者,特に老齢の患者をみるとき,本疾患が流行期にあることを忘れてはいけない.

梅毒

著者: 大谷道廣

ページ範囲:P.705 - P.708

ポイント
●梅毒は,性行為または類似の行為で感染する性感染症(STD)の一種である.
●梅毒のスクリーニングにはTPHA(梅毒トレポネーマ血球凝集試験)の定性を行う.
●第2期疹ではしばしば掌蹠の乾癬様皮疹がみられる.
●ブロックダイアグラムに従って,治療の可否が決定できる.
●梅毒治療の第一選択薬はペニシリンである.

皮膚T細胞性リンパ腫—菌状息肉症とSézary症候群を中心にして

著者: 岩月啓氏

ページ範囲:P.709 - P.711

ポイント
●皮膚の末梢性T細胞性リンパ腫の代表格である菌状息肉症とSézary症候群では,脳回転状核を持つCD4陽性T細胞が表皮親和性をもって増殖するのが特徴である.
●普通,菌状息肉症は紅斑期に始まり,10〜20年かけて扁平浸潤期,腫瘍期を経て内臓浸潤期へと進行する.
●Sézary症候群は,紅皮症,T細胞の白血化とリンパ節腫脹を特徴とする.
●菌状息肉症とSézary症候群はcutaneous T-cell lymphoma(CTCL)とも呼ばれ,病因として,経表皮的な持続的抗原刺激やHTLV(ヒトT細胞白血病ウイルス)-1類似のウイルス感染が示唆されている.
●EBウイルスの持続感染が病因と思われる皮膚T細胞ないしNK細胞リンパ腫は,しばしばhemophagocytic syndromeやKi-1(CD30)陽性を示す.

内科医が早めに皮膚科にコンサルテーションすべき疾患

ヘルペス

著者: 山崎雄一郎 ,   西堀由喜子 ,   盛田克子

ページ範囲:P.713 - P.715

ポイント
●ヘルペスウイルス群の感染症としては単純ヘルペスと帯状ヘルペスとがあり,単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus;HSV)と水痘-帯状ヘルペスウイルスvericella-zoster virus(VZV)がそれぞれの原因ウイルスである.
●従来,対症療法が主であったが,新しい抗ウイルス剤であるアシクロビル(ゾビラックス®)やビダラビン(アラセナA®)の外用,さらにアシクロビルの注射あるいは内服による治療が可能になっている.
●時に細菌感染症との鑑別診断が問題になることがあり得るが,その場合には皮膚科医に相談して治療方針を決定するとよい.

褥瘡

著者: 村木良一 ,   宮地百子

ページ範囲:P.716 - P.719

ポイント
●褥瘡は高齢で寝たきり,意識障害などを伴う症例にしばしばみられる疾患であり,一度生じると極めて難治で,早期より適切な治療を行うことが必要である.
●本症の治療・予防には,十分な栄養補給,日常生活動作の拡大などの全身管理,圧迫の回避,局所の清潔などの局所管理が大切である.
●病期・重症度に応じて,適切な局所外用剤を選択する必要がある.

重症薬疹

著者: 野崎重之

ページ範囲:P.720 - P.721

ポイント
●重症薬疹には紅皮症型,皮膚粘膜眼症候群型(MCO型またはStevens-Johnson症候群型),中毒性表皮壊死症型(TEN型)が含まれる.
●特にStevens-Johnson症候群型とTEN型は,生命予後の観点から早期診断,早期治療が望まれる.
●上記2型の鑑別はしばしば困難だが,水疱形成・表皮剥離・粘膜病変の出現は重症化の徴候であり,これらを認めた場合は速やかに治療方針を立てる必要がある.
●治療としては副腎皮質ステロイドの全身投与が有効である.

壊死性筋膜炎

著者: 乃木田俊辰

ページ範囲:P.723 - P.725

ポイント
●突然の発症,急速な病変の進行,発熱や高度の炎症症状を認めた場合には壊死性筋膜炎を疑う.
●糖尿病,動脈硬化などの基礎疾患は予後不良因子として重要である.
●早期の抗生剤の投与および外科的デブリドマンが治療の原則である.

天疱瘡・類天疱瘡

著者: 高森建二

ページ範囲:P.727 - P.729

ポイント
●天疱瘡,類天疱瘡は自己免疫性水疱症である.
●天疱瘡では抗表皮細胞間抗体を,類天疱瘡では抗基底膜部抗体を患者血中に証明する.
●天疱瘡は弛緩性水疱で破れやすく,類天疱瘡は緊満性水疱で破れにくい.
●組織学的には天疱瘡は棘融解性表皮内水疱,類天疱瘡は表皮下水疱である.
●天疱瘡は難治性口内炎で初発することが多い.
●ステロイド内服が治療の第一選択薬である.
●ステロイド副作用発現例やステロイドが使用できない症例には,血漿交換療法は有効な治療法である.

内科医も理解しておきたい皮膚科の検査

皮膚生検

著者: 井出瑛子

ページ範囲:P.731 - P.733

ポイント
●生検前に必ず組織像を頭に描く.
●皮膚生検は組織全体の構築が重要である.
●新しい病変を選ぶ.
●病変周囲健常部を含める配慮をする.
●傷が目立たない部位を選ぶ.
●パンチ生検は脂肪織炎に適さない.
●検体処理は検査に応じて迅速に対応する.

パッチテスト

著者: 大井綱郎

ページ範囲:P.734 - P.736

ポイント
●パッチテストの目的は,接触アレルギーを見つけることであり,アレルギー性ないし光アレルギー性接触皮膚炎,または接触蕁麻疹の原因物質を確認する方法として,簡便で確実である.また,薬疹の診断の一部でも有用なことが知られている.
●パッチテストとは,通常単純パッチテストのことをいい,48時間貼布を原則とする.
●パッチテストは,通常背部の脊椎を避けた部位に施行する.
●判定は,パッチテストユニット除去後30分から1時間後に第1回目の判定を行う.その後72時間,96時間で判定し,できれば1週間目に判定すると確実である.
●判定は,本邦基準,ICDRG基準どちらでもよいが,どちらであるかを明らかにすることが必要である.
●手技が簡単なだけに判定が困難なことが多いので,判定が困難なときは,被検物の濃度,方法などについて皮膚科専門医に相談のうえ再検することが必要である.

真菌検査

著者: 比留間政太郎

ページ範囲:P.737 - P.739

ポイント
●真菌症の診断で大切なことは,まず真菌症を疑うことである.
●真菌は顕微鏡で容易に観察することができるので,病巣内に菌を証明する(直接鏡検法,病理組織学的検査法).
●真菌は簡単な培地で培養することができるので,原因菌を分離同定する(培養法).
●顕微鏡で観察された菌の所見と培養された菌の所見とが矛盾しない.

皮膚科領域の薬の使い方と治療

抗ヒスタミン剤・抗アレルギー薬

著者: 川久保洋

ページ範囲:P.741 - P.743

ポイント
●アレルギー疾患に関与しているのは末梢のヒスタミンH1レセプターであり,一般に抗ヒスタミン薬とはH1レセプター拮抗剤をいう.
●新しく市場に出た抗アレルギー剤の多くは,ヒスタミンレセプターに対する作用がより選択的であり,化学伝達物質遊離抑制作用を持つ.
●抗ヒスタミン作用を持たないタイプの抗アレルギー薬では,速やかな止痒のためにはヒスタミン拮抗薬との併用が必要である.
●ある種の抗アレルギー剤では,他剤との薬物相互作用について気をつける必要がある.
●抗アレルギー薬による薬疹は比較的稀だが,疑わしい薬剤から除外してはいけない.

副腎皮質ステロイド外用剤

著者: 石河晃

ページ範囲:P.744 - P.746

ポイント
●ステロイド外用剤は,強さにより5クラスに分類されている.
●薬剤の選択は疾患のみらず,外用部位も考慮すること.
●strongクラス以上のものは,急性,一過性,中等症以上の病巣に使用する.
●顔面には非ステロイド,またはweakクラスのステロイドを.
●慢性疾患にはstrongクラス以下のものを.
●ステロイド外用剤は両刃の剣.特に中・長期外用で出現する副作用は難治性であり,注意が必要である.

シクロスポリン

著者: 石井則久 ,   田村暢子 ,   竹川恵

ページ範囲:P.748 - P.750

ポイント
●シクロスポリンの皮膚科での適応は,重症の乾癬である.
●適応除外は腎機能障害,肝機能障害,高血圧,活動性感染症,悪性腫瘍,妊婦,授乳婦などである.
●用法は最高量を5mg/kg/日とし徐々に減量するか,3mg/kg/日から開始し適宜増減する.
●シクロスポリン血中濃度(トラフレベル)を200ng/ml以下にする.
●主な副作用は腎機能障害,肝機能障害,高血圧である.

紫外線療法

著者: 段野貴一郎

ページ範囲:P.752 - P.753

ポイント
●紫外線療法には,UVB(中波長紫外線)またはUVA(長波長紫外線)が用いられる.
●紫外線療法の基礎と方法論は現代光医学の理論に基づいている.
●紫外線療法は乾癬,白斑,菌状息肉症など多彩な皮膚疾患の治療に有用である.
●紫外線療法には熱傷様皮膚炎,色素沈着,発癌などの副作用も起こり得るので,皮膚科専門医の指導のもとに実施されるべきである.

レーザー療法

著者: 斉藤浩

ページ範囲:P.754 - P.755

ポイント
●レーザー治療は,皮膚の色素性疾患に対して選択的な治療法として注目されている.
●レーザー光は単一の光であるため,それぞれの光に対して適応疾患が異なる.
●照射に際しては後療法が大切である.

理解のための38題

ページ範囲:P.757 - P.764

カラーグラフ 塗抹標本をよく見よう・4

赤血球の異常・4

著者: 久保西一郎 ,   藤田智代 ,   浜田恭子 ,   高橋功 ,   三好勇夫

ページ範囲:P.769 - P.772

 奇形赤血球症(poikilocytosis)
 前回,肺癌細胞の骨髄転移によって生じた奇形赤血球症を紹介した.引き続いて,末梢血中に奇形赤血球の出現するその他の症例について解説する.
 図1は著しい貧血と脾腫を呈した症例の末梢血塗抹標本である.図の中心部に3個の奇形赤血球が認められる.その中で矢印で示した赤血球は涙の形をしている.このような形をした異常赤血球を,涙滴赤血球(tear drop cell)と呼んでいる.同じ標本の別の場所を観察すると,図2のように赤芽球が見つかった.また,他の場所には図3のような骨髄球が認められた.通常ではこのように,有核赤血球(赤芽球)と未熟な顆粒球系細胞(骨髄球)がともに末梢血塗抹標本に認められることはない.このような病態をleukoerythroblastosisというが,奇形赤血球が観察され,そのうえにleu-koerythroblastosisが認められたら,前回も述べたが骨髄で大きな異変が起きていることが想定される.そこで骨髄検査が必要になるが,この患者で骨髄穿刺を行ったところ,dry tapで骨髄液を吸引することができなかった.次いで骨髄生検を行ったところ,図4のように骨髄は線維細胞により置換され,正常造血が著しく障害されていることが判明した.

連載

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.775 - P.780

演習 胸部CTの読み方・10

労作時呼吸困難にて受診した46歳の女性

著者: 奥崎健 ,   粟井和夫 ,   西阪隆 ,   山木戸道郎

ページ範囲:P.781 - P.785

Case
 46歳,女性.生来健康であったが,不妊のため,26歳から6年間ホルモン療法を受けている.44歳頃より労作時呼吸困難を自覚するようになり,しだいに増悪してきたため,胸部CT撮影となった.肺機能検査では,VC 2.30 l(85.5%),FEV1.01.32l(57.4%)であった.図1は胸部CT写真,肺野条件である.

図解・病態のメカニズム—分子レベルからみた神経疾患・8

ビオプテリン代謝障害—著明な日内変動を伴う遺伝性進行性ジストニア

著者: 瀬川昌也 ,   西山信好

ページ範囲:P.787 - P.793

 HPD(著明な日内変動を呈する遺伝性進行性ジストニー)は,特異な臨床症状から,NS(黒質線条体),DA(ドパミン),ニューロン終末部のTH(チロシン水酸化酵素)の減少がその病因に示唆されていた1,2).これは,一剖検例の神経病理3)および神経組織学的検索3,4)で証明され,さらに,髄液プテリジン代謝産物の検索からGCH-I(GTP cyclohydrolase I)の低下がTH,ひいてはDAの低下の原因であることが示唆された5,6).この酵素の遺伝子が発見されたことから7),候補遺伝子検索により,14q22.1-q22.2に位置するGCH-Iが原因遺伝子であることが明らかにされた8).本稿では,このビオプテリン代謝障害が特異的な臨床像といかにして結びつくか考察した.

知っておきたい産科婦人科の疾患と知識・8

薬剤と月経異常

著者: 田中雄一郎 ,   松敬文 ,   宮川勇生

ページ範囲:P.795 - P.798

 日常の診療で投与されている薬剤が,視床下部-下垂体-卵巣系の内分泌機能に影響を与え,月経異常を生じることがある.なかでもプロラクチンの分泌を促進する薬剤の服用では,しばしば月経異常となる.
 高プロラクチン血症を起こす薬剤には,神経症,うつ病,精神分裂病などの治療に用いられる中枢に作用する抗精神・神経薬だけでなく,降圧剤や抗胃潰瘍薬として広く用いられて,中枢とは直接関係がないと思われがちなものもあり注意を要する.殊に,高プロラクチン血症を生じやすいスルピリド剤(ドグマチール®)は,精神科領域のほかに抗胃潰瘍薬として内科,外科領域でも広く用いられている薬剤であり,月経異常を起こしやすい.

医道そぞろ歩き—医学史の視点から・12

自由を標榜したパドヴァ大学

著者: 二宮陸雄

ページ範囲:P.800 - P.801

 北イタリアのパドヴァ駅に降りて,橋を渡り,広場の一角にある大学の前に立つと,ここで450年前に『人体構造論』(ファブリカ)を書いていたヴェサリウスの姿が浮かんでくる.そしてパドヴァ大学の封印に刻まれたuniversa universis patavina libertas「すべての人にパドヴァの自由」というラテン語を思い出す.パタヴィウムはパドヴァの昔の市名である.
 ヴェサリウスが生まれたのは1514年である.その3年後の1517年に,パドヴァ大学は機構改革を行って,2年ごとに3人のヴェネチア市民を改革委員に任命した.当時,パドヴァはヴェネチア公国が支配していた.ルターがウィッテンベルク大学で法王への抗議「95ケ条」を掲げた年である.この改革委員会は,学生の宗教の自由や教授の教育の自由を保証した.封印はパドヴァ大学の基本姿勢の宣言とみてよい.

medicina Conference・17

発熱,湿性咳嗽を訴えた脳梗塞の既往のある54歳の男性

著者: 高橋義和 ,   岡井隆広 ,   有岡宏子 ,   菊池隆秀 ,   北原光夫 ,   押味和夫

ページ範囲:P.802 - P.816

 症例:54歳,男性
 主訴:発熱,湿性咳嗽
 現病歴:脳梗塞の既往のある54歳の男性が,平成7年6月初旬より夜間に強い湿性咳嗽,39°Cの発熱の出現を認めた.喀痰の色は黄白色で胸痛は認めず,悪寒・戦慄もなかった.抗生剤も投与せず経過を見ていたが,発熱が持続するため,精査目的で入院となった.全身倦怠感,食欲不振はあるが,体重減少,寝汗,血痰は認めなかった.
 既往歴:20年前に虫垂切除術施行,3年前に網膜症(単純性網膜症)を指摘された際に糖尿病と診断された.平成7年1月,脳梗塞(左内包梗塞),また大腸ポリープにてポリペクトミー施行.結核の既往はない.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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