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今月の主題 血栓症とDIC 診断—血栓症およびDIC患者への臨床的アプローチ
検査診断および診断基準
著者: 福江英尚1 福武勝幸2
所属機関: 1東京医科大学霞ヶ浦病院中央検査科 2東京医科大学臨床病理学
ページ範囲:P.1263 - P.1267
文献購入ページに移動●近年,血栓傾向状態を反映する多くの分子マーカーが測定できるようになり,凝固亢進状態の推測が容易となった.
●DICは,血液凝固機構を促進する何らかの基礎的病態が存在するために,過凝固状態から消費性凝固障害,つまり微小血栓多発状態から出血傾向に劇的に進行する致死的な合併症である.
●この全く逆の臨床症状を示す過程を,one pointの検査値で判定することは大変難しいが,致死的病態に至る可能性が高いことから,臨床症状が出現する前にDIC準備状態(pre-DIC)をとらえ治療を開始することが望ましい.
●pre-DICの診断には,血中FDP(フィブリノゲン分解物)の上昇と他に原因のない血小板数の低下が最も重要である.そして,早期診断には凝固因子や分子マーカーの経時的な変動をみて,変化する血液凝固状態を把握することが重要である.
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