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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻7号

1996年07月発行

文献概要

今月の主題 血栓症とDIC 血栓傾向

妊娠と血栓傾向

著者: 寺尾俊彦1

所属機関: 1浜松医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1305 - P.1307

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ポイント
●妊娠中や産褥期には血栓ができやすい.血栓の形成には煙血管壁の異常,血液成分の異常,血流の停滞が3要因(Virchowの説)として知られているが,妊娠中や産褥期にはこれらの要因がいずれも備わり,易血栓性状態となる.
●妊娠による血液成分の変化は易血栓形成の大きな要因で,血液凝固因子の産生増加,線溶の抑制,血液粘度の増加,血球数の増加などの変化がみられる.これらの変化は妊娠の進行とともに著明となる.
●妊娠による子宮の増大で血管走行の変化,血流の変化,血管内皮の障害が起こり,これに伴う好中球や血小板の活性化が,易血栓性状態を招来する.血流の停滞が随所に起こる.
●分娩,手術など血栓の起こりやすい機会があることも要因となる.
●羊水などの子宮容物は凝固亢進物質であり,血中へ流入することにより血栓形成の引き金となり得る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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