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カラーグラフ 塗抹標本をよく見よう・7
血小板の異常・2
著者: 久保西一郎1 藤田智代2 浜田恭子3 高橋功4 三好勇夫1
所属機関: 1高知医科大学第3内科 2高知医科大学附属病院中央検査部 3高知県立中央病院中央検査部 4高知県立中央病院内科
ページ範囲:P.1383 - P.1386
文献購入ページに移動図1は,血小板無力症(thrombasthenia)の末梢血塗抹標本である.Glanzmannによって初めて記載されたので,Glanzmann's diseaseとも呼ばれている.常染色体劣性遺伝の先天性の出血性疾患で,新生児期あるいは小児期に,鼻出血,歯肉出血,点状出血,紫斑などを生じるので診断される.出血時間が著明に延長するが,この病気は血小板機能の異常によって生じるので,図1に示すように血小板の数,形態には異常を認めない.
図2は,本患者の血小板凝集能検査の結果である.凝集能検査を行うと,図2のようにADP,collagen,epinephrineを添加しても凝集は全く認められない.図3は正常コントロールであるので比べていただきたい.正常の場合,ADP,collagen,epinephrineを加えると凝集が起こり,時間の経過とともに図3のような凝集下降曲線が得られ,4分後くらいからプラトーとなる.図2では,図3で見られる凝集下降曲線が全く認められず,血小板凝集が全く起こっていないことが分かる.
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