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図解・病態のメカニズム—分子レベルからみた神経疾患・11
Paraneoplastic syndrome(傍腫瘍性神経症候群)の分子医学
著者: 犬塚貴1
所属機関: 1新潟大学脳研究所神経内科
ページ範囲:P.1399 - P.1404
文献購入ページに移動 傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic syndrome)とは,神経系に対する腫瘍の直接的な浸潤,圧迫,転移,栄養・代謝障害,血管障害,治療による副作用などによるものを除いた,いわゆる「腫瘍の遠隔効果」による神経障害で,免疫学的機序を介して発症すると考えられている.その病型としては,表1に示すように中枢神経,末梢神経,神経筋接合部,筋の障害に基づく多種多様なものが報告されている1).これらの中で免疫学的機序が比較的よく解明されているのは,Lambert-Eaton筋無力症候群(LEMS)で,神経筋接合部のシナプス前膜の電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)に対する抗体が患者血清中に検出され,動物への受身免疫にも成功している2).さらに,その病態に応じた治療が効果をあげている.このような直接的な証明が得られないまでも,ある種の神経症状に伴う特徴的な抗神経抗体と癌が知られており(表2),併せてここで紹介する.
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