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雑誌目次

雑誌文献

medicina33巻8号

1996年08月発行

雑誌目次

今月の主題 炎症性腸疾患治療のジャイアント・ステップス 治療の前に知っておきたいIBDの基礎知識

日本人のIBDの疫学的特徴

著者: 棟方昭博 ,   中路重之

ページ範囲:P.1442 - P.1444

ポイント
●欧米の罹患率は,人口10万当たり潰瘍性大腸炎2.1〜15.1,クローン病0.3〜8.3で,本邦の潰瘍性大腸炎1.95,クローン病0.51を大きく上回っている.
●欧米の有病率は人口10万当たり潰瘍性大腸炎43.4〜225.2,クローン病19.8〜146で,本邦の潰瘍性大腸炎18.12,クローン病5.85を大きく上回っている.
●潰瘍性大腸炎はいかなる年齢からも発症するが,20代にピークがみられる.クローン病の分布の幅は潰瘍性大腸炎より狭く,ピークはUCよりやや若い.
●潰瘍性大腸炎の死亡率は,欧米よりやや低く,クローン病は明らかに低い.

IBDの病因と発症のメカニズム

著者: 馬場忠雄 ,   安藤朗

ページ範囲:P.1445 - P.1449

ポイント
●潰瘍性大腸炎およびクローン病に代表される炎症性腸疾患の病因は,いまだ特定されていない.
●潰瘍性大腸炎患者の血中には,種々の自己抗体の存在が証明され,その病因に自己免疫的異常が関与している.
●クローン病は,組織学的に非乾酪性肉芽腫の形成を特徴とし,その病因の一つに単球/マクロファージの機能異常が関与している.
●腸管粘膜局所における透過性の亢進と免疫調節機構の破綻が,両疾患の病態に関与している.

IBDの経過と予後

著者: 神長憲宏 ,   佐竹儀治

ページ範囲:P.1451 - P.1453

ポイント
●潰瘍性大腸炎では大部分の症例が薬物療法に反応し,長期的な予後は良好である.
●潰瘍性大腸炎における慢性持続型,頻回に再燃する再燃緩解型は手術となることが多い.
●潰瘍性大腸炎の直腸炎型,左側結腸炎型では口側へ進展する例がある.
●潰瘍性大腸炎の若年発症,全大腸炎型,慢性持続型で10年以上の経過を有する例で癌化率が高い.
●クローン病では,完全静脈栄養療法や成分栄養療法を行えば,ほとんどの症例が4週以内に緩解となるが,栄養療法を中止すると大部分の症例が2年以内で再燃をきたす.
●クローン病の炎症の活動度は,発症からの経過期間が長くなるに従って低下する.
●クローン病の累積手術率は経年的に増加を示し,発症後15年で約50%である.
●クローン病の術後の再燃もほぼ全例で認め,再手術率も40〜50%と高い.

IBD治療の目的とゴール

著者: 上野文昭

ページ範囲:P.1454 - P.1456

ポイント
●正しい治療のためには,治療の目的とゴールを設定すること,目的に合った適切な治療法を選択すること,治療効果を正しく評価できる指標を決めること,の3条件が必須である.
●IBD治療の目的は,症状の改善と良好な全身状態の維持である.
●そのためには腸管の炎症の寛解,再燃の予防,合併症の予防と治療が必要であるが,これらは直接の目的ではなく,むしろ目的達成のための手段であることに注意したい.

治療を睨んだIBDの臨床診断学

IBD診断の基本

著者: 朝倉均 ,   本間照

ページ範囲:P.1457 - P.1460

ポイント
●潰瘍性大腸炎の炎症は,主として粘膜にみられ,その炎症は直腸より始まりびまん性・連続性であることを基本とするが,数%に例外がみられるので,鑑別診断は重要である.
●クローン病の炎症は消化管壁全層性で,初期病変は縦走するアフタ様病変(びらん,潰瘍)であるが,病気が進展すれば縦走潰瘍や玉石敷状所見(cobblestone appearance)を呈する.
●潰瘍性大腸炎の3大合併症(腸穿孔,腸管大量出血,中毒性巨大結腸症)は,自覚症状と他覚所見からの症候による診断が重要である.

治療方針決定のための活動度や病態の捉え方

著者: 飯塚文瑛 ,   田中美紀 ,   戸田潤子

ページ範囲:P.1462 - P.1470

ポイント
●鑑別診断は重要だが,当初は腸炎の重症度で対応可能である.また重症度診断については,臨床的・病像的(内視鏡像的)所見に留意する.
●罹患範囲と活動期の範囲に留意,また初回か再燃かで有効薬量が異なる.
●ステロイド治療歴については,過去の有効量と無効量(再燃時に使用していた量)に留意する.その治療は副作用の検討・対策なしに行えない.
●腸炎症状の分析と経過観察(経過表を利用)が重要.適宜治療方針の再考(方針変更,ステロイド剤の増量または漸減)を行う.
●難治例はステロイドを漸減しつつ,新しい治療・補助療法を積極的にすすめる.
●クローン病の活動度判定は,簡易なほう(IOIBD)が日常有用である.
●IBDでは,栄養不良に有効で積極的な対処を行う.
●クローン病では,狭窄・瘻孔・膿瘍・肛門部病変・小腸病変に注意する.

IBDの消化管合併症

著者: 鈴木亮一 ,   永瀬肇 ,   関原久彦

ページ範囲:P.1472 - P.1473

ポイント
●炎症性腸疾患の消化管合併症は,手術の適応となるものが多く,タイミングを誤ると社会復帰の遅れや生命を脅かす原因となる.
●特に穿孔は手術の絶対的適応であり,中毒性巨大結腸症は絶対的適応に準ずる.
●肛門病変はクローン病に多発し,診断の手掛りとなる.
●膿瘍・瘻孔はクローン病に特徴的な合併症であり,鑑別にも役立つ.

IBDにおける発癌—内視鏡診断とサーベイランス

著者: 長廻紘 ,   藤盛孝博 ,   戸田潤子

ページ範囲:P.1474 - P.1478

ポイント
●長期経過したIBDにおけるcolitic cancerの発生頻度は12.5%(5/40)であったとの報告がある1).一般の大腸癌の頻度や年齢で比較すると,長期経過IBD,特に潰瘍性大腸炎は大腸癌のhigh risk groupといえる.
●潰瘍性大腸炎におけるcolitic cancerは,①多発癌が多い,②平坦で浸潤性,境界不明瞭と特異な肉眼型を示す,③未分化癌が多い,④dysplasiaを伴うものが多い,などの特徴があげられる.
●微細な形態診断学的根拠を基にした内視鏡検査は,colitic cancerの早期診断に貢献できるであろう.

潰瘍性大腸炎の画像診断

著者: 五十嵐正広 ,   小林清典 ,   勝又伴栄

ページ範囲:P.1480 - P.1485

ポイント
●潰瘍性大腸炎(UC)は,炎症の時期によって画像が異なる.
●典型例では,直腸から口側に連続したびまん性の炎症がみられる.
●急性期には,前処置の下剤や検査手技で病状を悪化させることがあるので注意が必要である.
●臨床症状や内視鏡所見により重症度を判定し,治療法を選択する.
●緩解期には,萎縮した粘膜や炎症性ポリープを伴うものがあり,経過不明な症例では他疾患との鑑別診断も重要である.

クローン病の画像診断

著者: 杉野吉則 ,   今井裕 ,   日比紀文

ページ範囲:P.1486 - P.1490

ポイント
●クローン病の画像診断はほぼ確立されており,的確な検査が行われればほぼ確診がつけられる.診断が難しいものとしては,アフタ様病変のみからなる病像や,他の炎症性腸疾患(腸結核や潰瘍性大腸炎など)と紛らわしい病像を呈するものなどである.
●画像検査に際しては,クローン病と診断するだけにとどまらず,病変の罹患範囲や潰瘍の程度を明らかにし,病変の進行度や活動性を知って治療方針を決めたり,治療の効果を判定することが重要である.特に,高度の狭窄や難治性の瘻孔は外科的治療の対象となるので,X線で確実に表さなければならない.

免疫学的検査の治療的意義

著者: 渡辺守

ページ範囲:P.1491 - P.1493

ポイント
●潰瘍性大腸炎およびクローン病では,ともに単に消化管のみの疾患でなく,全身性の免疫異常が存在するが,その免疫学的発症機序は全く異なる.
●炎症が慢性化すれば両疾患ともに,活性化された浸潤細胞からの炎症惹起物質による非特異的な炎症像が主体となるため,免疫学的検査においては同様の結果となり,両疾患の鑑別診断および治療法の選択に有用なものはほとんどない.
●免疫学的異常の追究から,炎症性腸疾患に対する新しい治療法,例えば免疫抑制剤の使用,白血球除去療法,抗CD4およびTNF抗体療法などが開発されてきたのは事実であり,今後もその追究は続けられるべきである.

IBD治療の基本薬

サラゾスルファピリジン—これからも標準薬か

著者: 小林清典 ,   勝又伴栄 ,   五十嵐正広

ページ範囲:P.1495 - P.1499

ポイント
●Salazosulfapyridine(SASP)は,sulfapyridine(SP)と5-aminosalicylic acid(5-ASA)のアゾ化合物である.
●SASPは,軽症〜中等症の潰瘍性大腸炎に対する第一選択の治療薬であり,大腸病変主体のクローン病においても有効性が確認されている.
●SASPは,副作用の発現頻度が高いことが問題である.SASPのなかで,非特異的抗炎症作用を有する5-ASAが有効成分とされ,副作用の多くはSPによるものと考えられている.そこでSPを除いた5-ASA製剤が開発され,SASPと同等の治療効果が確認されている.
●今後5-ASA製剤は,SASPの不耐例のみならず,軽症から中等症の潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療に活用されていくものと考えられる.

5-ASA—治療体系は果たして変わるか

著者: 里見匡迫 ,   山村誠 ,   木下隆弘

ページ範囲:P.1500 - P.1504

ポイント
●5-ASAは,salazosulphapyridine(サラゾピリン®)の抗炎症作用の有効成分とされている.単独の経口投与では,急速に上部消化管から吸収されるため効果がない.このため5-ASAをコーティングするか,他のものと結合させて吸収を遅延させるようにした製剤が用いられている.
●5-ASA製剤は,欧米では既に潰瘍性大腸炎の軽症・中等症の緩解導入および緩解維持の目的のために広く用いられている.対象と目的はサラゾピリン®と同様であり,効果もほぼ同じで,比較的副作用が少ないとされている.
●5-ASA製剤が炎症性腸疾患の現在の治療体系を変えるとは考えられないが,副作用の少ない点から,使いやすい薬剤として今後用いられることが多くなるであろう.

副腎皮質ステロイド—いつ,どのように用いるか

著者: 蘆田知史 ,   栄浪克也 ,   高後裕

ページ範囲:P.1505 - P.1508

ポイント
●潰瘍性大腸炎に対するステロイドの強力静注療法は高い緩解導入率を有しているが,手術適応の判定を見誤らないことが重要である.
●潰瘍性大腸炎においてステロイドを局所投与(注腸投与)する場合,投与量の約40%は全身的に吸収されることが知られており,他の投与法と同様,副作用の発現に注意が必要である.
●ステロイドの経口投与を行う場合,潰瘍性大腸炎,クローン病の両者の場合において,少量を持続的に投与しても有意な緩解期間の延長は報告されていないことを念頭に置くべきである.

免疫抑制剤はIBD治療の“first-line drug”か

著者: 岩男泰 ,   渡辺守 ,   日比紀文

ページ範囲:P.1510 - P.1511

ポイント
●IBDは免疫学的異常が病態に関与しており,それを踏まえたうえで免疫抑制剤の投与が行われる.
●他の薬剤に比べ副作用が強く,投与後は厳重な経過観察が必要である.
●免疫抑制剤の適応は,ステロイド離脱困難例,難治例,頻回再燃例の緩解維持である.クローン病では難治性の瘻孔も適応になる.
●6-MP,アザチオプリンは長期投与の報告も多く,少量投与では比較的安全性も高い.
●シクロスポリンやメトトレキサートの評価は定まっていないが,難治例などで効果が期待される.

止痢剤・鎮痙剤・抗生物質をどう用いるか

著者: 柳川健

ページ範囲:P.1512 - P.1514

ポイント
●止痢剤・鎮痙剤は,特に重症例の炎症性腸疾患(IBD)に重篤な合併症であるtoxicmegacolonを引き起こすことがあるので注意が必要である.
●クローン病(CD)において,閉塞や狭窄病変が疑われる場合には止痢剤・鎮痙剤を使ってはならない.
●腹腔内感染を合併する場合には,広域スペクトラムの抗生物質を用いる必要がある.
●Primary therapyとしての抗生物質の効果は潰瘍性大腸炎(UC)では否定されている(フラジール®).しかし大腸型CDで,特に瘻孔を有する場合,メトロニダゾールが有効である.
●メトロニダゾールは副作用が比較的多く,特に末梢神経障害の出現に注意する.

IBDの栄養管理と在宅管理

栄養療法は主役か,脇役か

著者: 樋渡信夫

ページ範囲:P.1515 - P.1517

ポイント
●重症型潰瘍性大腸炎における中心静脈栄養(TPN)は,栄養状態を改善・維持しながら,たとえ手術に移行しても,より安全に行えることを目的にした補助療法である.経腸栄養(EN)の適応はない.
●活動期クローン病に対しては,栄養療法単独でも80〜90%の症例で緩解導入が可能であり,primary therapyとしての効果が認められている.
●緩解維持,あるいは軽い再燃に対して,在宅経腸栄養法(HEN)か,薬物療法かは,個々の患者の背景や希望,過去の治療歴やその反応を参考にして選択する.

IBD患者の生活指導について

著者: 高添正和

ページ範囲:P.1519 - P.1521

ポイント
●診断確定時や長期フォロー中の説明に際して慎重に対処せねばならない.
●炎症性腸疾患の長期医療管理はcure and careが主体であるため,患者の実生活の問題点への積極的なアプローチが必要である.
●生活面では食生活,社会生活,学校生活,結婚,妊娠,出産などが問題となる.
●炎症性腸疾患でストーマや腸瘻が存在したり,小腸病変の存在により経管栄養を施行せざるを得ない場合には,直腸膀胱障害や小腸機能障害の認定対象となる.
●成分栄養剤を用いた経管栄養法は,在宅医療の対象である.

クローン病のprimary therapyとしての成分栄養法

著者: 大林隆晴 ,   大瀬亨 ,   星野恵津夫

ページ範囲:P.1522 - P.1524

ポイント
●成分栄養法は,クローン病の初期治療としてのみならず,再発防止のためにも有用な治療法であり,その効果はステロイド療法と比べ勝るとも劣らない.
●その適用においては,味や日常生活の制限の問題など若干の難があるが,副作用の発現は少なく,クローン病治療の第一選択となり得る.
●成分栄養法は,様々な投与方法・投与量で行われているが,患者の体格・活動性に見合う十分な投与量が必要である.
●患者の生活背景を考慮した無理のない投与法を選択することにより,快適な社会生活が可能となる.

クローン病における完全静脈栄養の適応と限界

著者: 正田良介 ,   松枝啓

ページ範囲:P.1525 - P.1527

ポイント
●完全静脈栄養は,クローン病の急性期腸管病変自体を改善する.
●成分経腸栄養に比較して,その治療効果がより高いわけではない.
●経腸栄養に比較して,経済性・安全性・簡便性などでは劣る.
●完全静脈栄養の絶対適応とされていた短腸症候群・狭窄・瘻孔を持つ症例でも,他の治療法が行われるようになってきている.
●完全静脈栄養の絶対適応は減少しつつも,極端な短腸症候群,経腸栄養不応例などは確実に存在している.
●完全静脈栄養から経腸栄養への移行は,可能ならでき得る限り早期に行う.

内科治療の限界と外科治療

潰瘍性大腸炎の外科治療—いつ考慮するか

著者: 今村幹雄 ,   中嶋裕人

ページ範囲:P.1528 - P.1530

ポイント
●結腸全摘,直腸粘膜抜去兼回腸嚢肛門吻合術(IPAA)のような手術により,潰瘍性大腸炎の手術成績は非常に向上した.
●保存的治療の限界を認識し,機をみて外科治療を選択すべきである.
●手術を考慮すべきタイミングは以下のごとくである.①全大腸炎型で長期(7年以上)にわたり再燃緩解を繰り返す難治例,②小児では保存的治療期間が2年を越える場合,③強力静注療法が有効でない場合,④ステロイド治療の限界やステロイド離脱困難を生じた場合,⑤中毒性巨大結腸症などの重篤な合併症を生じた場合.

クローン病の外科治療—何を対象とするか

著者: 福島恒男 ,   山本雅由 ,   山内毅 ,   杉田昭 ,   藤井義郎

ページ範囲:P.1531 - P.1533

ポイント
●クローン病の外科治療は,狭窄,閉塞,瘻孔,腫瘍,成長障害,肛門病変などに対して行われる.
●狭窄に対しては狭窄形成術,肛門病変に対してはシートン法など侵襲の少ない手術が選択されている.

IBDに対する腹腔鏡下手術—適応と限界

著者: 渡邊昌彦 ,   日比紀文 ,   北島政樹

ページ範囲:P.1534 - P.1535

ポイント
●腹腔鏡下手術は創が小さく,術後創痛は軽微で腸蠕動の再開が早く,癒着も最小限にとどめることができる.
●腹腔鏡下手術は運動制限が少なく,早期の社会復帰が可能で美容上優れている.
●主病変が小腸のクローン病や潰瘍性大腸炎は適応となる.一方,病変が広範囲なもの,開腹術の既往があるもの,活動期にある炎症性腸疾患は腹腔鏡下手術の適応から除外される.

特殊治療の理論的背景と将来展望

全身的影響の少ないステロイドによる局所療法

著者: 押谷伸英 ,   北野厚生 ,   小林絢三

ページ範囲:P.1536 - P.1537

ポイント
●中等症ないし軽症の左側大腸炎型あるいは直腸炎型潰瘍性大腸炎は,注腸療法の適応となる.
●局所療法であっても従来のステロイド剤では,長期間あるいは投与量が多い場合には,全身的副作用が出現する.
●全身的影響の少ないステロイド剤として,難吸収性薬剤およびアンテドラッグがある.
●合併症を有する潰瘍性大腸炎において,アンテドラッグが有用である.

新しい免疫療法

著者: 日比紀文 ,   岡本晋 ,   中澤敦

ページ範囲:P.1538 - P.1540

ポイント
●現在使用されている6-MPやシクロスポリンなどの免疫抑制剤は,リンパ球全体に対し抑制的に働くものが多く,全身の免疫能の低下が問題となる.
●このため,作用の対象をリンパ球の特定のサブセット,例えばヘルパーT細胞やそれらが産生するサイトカインなどに絞った,新しい免疫抑制療法の開発が試みられている.
●ヘルパーT細胞を標的とするものとしては,クローン病における腸管粘膜内活性化CD4陽性細胞に対する抗CD4抗体やCD4 analogueがある.
●サイトカインを対象とするものとしては,炎症性サイトカインの抑制剤投与と炎症抑制性サイトカインの投与の2通りの方法があるが,なかでも,抗TNF-α抗体はクローン病に対する新しい治療法として注目されている.

潰瘍性大腸炎の白血球除去療法

著者: 大西国夫 ,   澤田康史 ,   下山孝

ページ範囲:P.1541 - P.1544

ポイント
●潰瘍性大腸炎は若年者に好発し,主として粘膜下層を侵す大腸の特発性・非特異性の難治性炎症性疾患である.
●炎症性腸疾患は,広い意味での自己免疫疾患であると考えられている.
●組織像でみられるように,好中球,形質細胞,リンパ球などの白血球が活性化,増加している.

病態に応じたIBDの治療

潰瘍性大腸炎の治療戦略

著者: 牧山和也 ,   岩本美智子 ,   野元健行

ページ範囲:P.1546 - P.1549

ポイント
●潰瘍性大腸炎(以下,UC)の長期経過パターンを,コントロールの難易性から4つの型に分類できる.
●UCの大腸粘膜局所では,過剰なsystemic inflammatory immune responseが引き起こされている.
●UC治療のポイントは,初発時のステロイドを主体とした強力な初期治療である.さらに,中断のない緩解維持療法,手術が必要な患者のタイミングよい選択,QOLを保つための患者教育と患者管理を的確に行う.
●新しい薬物治療の戦略は,活性酸素産生と代謝機構,サイトカイン・ケモカインの産生機構,接着分子発現機構の抑制と制御がターゲットになっている.

ステロイド抵抗性/依存性の潰瘍性大腸炎

著者: 山崎日出雄

ページ範囲:P.1550 - P.1551

ポイント
●潰瘍性大腸炎重症・激症例には,強力静注療法や動注療法などのステロイド全身投与が施行されるが,無効例は緊急手術の適応とすべきである.
●アザチオプリンや6-MPは,ステロイド依存性症例に対しステロイド減量・離脱効果を有する.
●アザチオプリンや6-MPの副作用として,骨髄抑制(特に白血球減少や無顆粒球症),膵炎,脱毛などに注意する必要がある.

クローン病の治療戦略

著者: 大原信 ,   北洞哲治 ,   林篤

ページ範囲:P.1552 - P.1555

ポイント
●治療の基本は腸管の炎症を抑え,栄養状態を改善させる内科的治療である.
●病態からみて,抗原の除去と栄養の改善をはかる栄養療法,生体の免疫異常を是正し,炎症を抑える薬物療法が選択される.
●栄養療法,薬物療法,厚生省特定疾患調査研究班の治療指針案を基盤に行われるが,画一的な治療法はなく,その病態,病状を考慮し適切に選択することが肝要である.
●外科治療は小範囲切除や狭窄形成術にとどめ,できるだけ内科的治療を続ける考え方が近年優勢となりつつあり,腹腔鏡下手術も試みられ始めている.

会陰部クローン病の保存的治療と外科治療

著者: 鈴木公孝 ,   武藤徹一郎

ページ範囲:P.1556 - P.1557

ポイント
●会陰部クローン病は,大きく一次性,二次性,随伴性に分類される.
●一次性病変には裂肛,深掘れ潰瘍などが含まれ,栄養療法や薬物療法で軽快することが多い.
●痔瘻の2/3は通常の低位筋間痔瘻であり,根治手術(laying open)により治癒することが多い.
●複雑な高位痔瘻は二次性病変であり,切開排膿,シートン法が適応である.
●二次性病変である直腸膣瘻に対し,advancement flapを経膣的に用いる方法は有効である.
●随伴性病変である痔核の手術適応については今後の課題である.

妊娠・授乳時のIBD治療

著者: 杉浦弘和 ,   宮岡正明 ,   斉藤利彦

ページ範囲:P.1558 - P.1559

ポイント
●IBD患者での妊娠は可能であり,妊娠を諦めたり,積極的な避任は不要である.
●IBD患者の妊娠は,寛解期に勧めるのが望ましい.
●常用量のサラゾピリン®やステロイド剤は,胎児への影響は少ない.
●授乳中のステロイド剤は児に対する影響が少ないとされているが,サラゾピリン®では,児への影響があるという報告もみられるため,慎重に投与すべきである.
●妊娠・授乳を希望するIBD患者には,服薬継続のメリットとデメリットを十分に説明することが大切である.

高齢者IBD患者の治療と問題点

著者: 金城福則

ページ範囲:P.1560 - P.1561

ポイント
●潰瘍性大腸炎で,60歳以上の発症は約10%である.
●病変の範囲は全大腸炎型が少なく,直腸・左側結腸に限局した病変が多い.
●再燃緩解型が少なく,初回発作型が多い.
●手術例では穿孔を原因とするものが多い.
●経過中の死亡率が高い.
●虚血性大腸炎,感染性大腸炎などとの鑑別を,糞便検査や前処置なしの直腸・S状結腸内視鏡検査で迅速に行う.
●治療は厚生省難治性炎症性腸管障害調査研究班による治療指針改訂案に準じて行う.
●外科的治療の適応を的確に判断する.

IBDの消化管外合併症とその治療

著者: 柴田実

ページ範囲:P.1562 - P.1564

ポイント
●IBDは多彩な合併症を呈するため,腸管病変を主体とした全身疾患と捉えることができる.
●大腸の病変では免疫異常に関連した合併症が多く,小腸の病変では吸収障害などの生理学的異常に関連した合併症が多い.
●コルチコステロイドやサラゾスルファピリジンの投与による医原性合併症も存在する.
●合併症と腸管病変の出現時期は必ずしも一致しておらず,合併症がIBD発見の契機になることもある.

クリニカル・ワークショップ

IBD治療における内科と外科のインタープレー

著者: 飯塚文瑛 ,   日比紀文 ,   杉田昭 ,   上野文昭

ページ範囲:P.1565 - P.1579

 上野(司会) IBDの治療法が次々と開発され,多様化するに従い,臨床の現場では治療法の選択に迷うこともかえって多くなりつつあります.本日は,日頃お互い気心の知れた内科と外科の先生方をお迎えして,それぞれの信念と哲学に基づいた治療法について大いにdebateをしていただきたいと思います.
 今日は症例を2例用意しました.教科書的な通り一辺の治療法ではなく,活きた治療法に関する討論をすすめていただきたいと思います.

理解のための33題

ページ範囲:P.1581 - P.1587

カラーグラフ 塗抹標本をよく見よう・8

リンパ球の異常・1

著者: 久保西一郎 ,   藤田智代 ,   浜田恭子 ,   高橋功 ,   三好勇夫

ページ範囲:P.1593 - P.1596

正常リンパ球
図1は,末梢血塗抹標本で見られる正常リンパ球である.図1aは小型リンパ球,図1bは大型リンパ球をそれぞれ示している.リンパ球は末梢血白血球の分類上,約30〜40%をしめる.正常人の白血球数を4,000〜8,000/mm3とすると,その絶対数は約1,200〜3,200/mm3くらいとなる.末梢血中のリンパ球の大部分(75〜80%)はTリンパ球で,15〜20%はBリンパ球と考えられている.残りの約5%はTでもないBでもない,いわゆるnon T/non B(null cell)タイプのリンパ球と考えられている.このnon T/non Bリンパ球は,図1bで示した大型で細胞質の中に顆粒を有する細胞(large granular lymphocyte)で,naturalkiller活性を持っていると考えられている.図1bをよく見るとazur顆粒があるのだが,分かっていただけるだろうか.

グラフ 高速CTによるイメージング・7

肺の実質性病変

著者: 鈴木孝司 ,   甲田英一 ,   平松京一

ページ範囲:P.1605 - P.1610

 高速CTの長所は,短時間で多数の連続したデータを得ることができるところにあると考えられる.この長所を生かし,肺の病変に対してもいろいろな試み1)がなされている.特に肺実質の腫瘍性病変や気管支病変に対する応用はかなり広いものがある.これらについては,本連載で国立がんセンターの小室先生,栃木県立がんセンターの森先生が詳しく解説されると思うので,この項では肺の実質性病変を広い意味に解釈し,お二人の先生が言及されないと思われるその他の肺病変の中で,高速CTが有用と思われた症例を供覧する.もし重複があった場合はご容赦願いたい.

図解・病態のメカニズム—分子レベルからみた神経疾患・12

ミトコンドリア脳筋症

著者: 米田誠

ページ範囲:P.1615 - P.1619

 ミトコンドリア脳筋症は,生体のエネルギープラントであるミトコンドリアの酸化的リン酸化系(電子伝達系とATP合成酵素)の遺伝的障害によって,神経・筋を主体とした多彩な症状を呈する疾患群である.網膜色素変性症・外眼筋麻痺・心伝導障害を主徴とするKearns-Sayre症候群(KSS),小児の脳卒中様発作・乳酸アシドーシスを主徴とするMELAS症候群(mitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis and stroke-like episodes),ミオクロヌスてんかん・小脳失調・痴呆を主徴とするMERRF症候群(myoclonus epilepsy as-sociated with ragged-red fibers)が三大病型とみなされているが,これらのほかにも各種の臨床型が認められている.神経・筋以外の症状を主体とする病型も多く見いだされているため,ここでは広くミトコンドリア病という名称を用いる.
 近年の分子遺伝学的解析によって,これらの各種臨床型における特異的ミトコンドリア遺伝子(mtDNA)変異の存在が明らかになってきた1〜3).mtDNAは染色体上の核遺伝子とは大きく異なるいくつかの遺伝学的特徴をそなえており,ミトコンドリア病の特異な病態を規定している.

知っておきたい産科婦人科の疾患と知識・12

肥満,月経異常と多嚢胞性卵巣症候群

著者: 楢原久司 ,   江藤靖子 ,   宮川勇生

ページ範囲:P.1621 - P.1624

 多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syn-drome:PCOS)は生殖年齢女性の約3%にみられ,排卵障害による月経異常や不妊,さらには多毛,にきび,肥満などの臨床症状を呈する症候群である.本邦では,肥満はPCOSの約20%に認められ,肥満のPCOSは非肥満のPCOSに比べて約2倍不妊となる率が高い.一方,肥満女性には月経異常の頻度が高いことが知られているが,PCOSの月経異常と,肥満ではあるがPCOSではない(非PCOS肥満)女性の月経異常が,同一の病態を共有しているかどうかについては一定した見解が得られていない.
 本稿では,PCOSの症例を呈示し,病態生理および肥満との関連について概説する.また,内科医として遭遇する機会が多い肥満患者に月経異常が合併した際,PCOSを含めどのような臨床上の問題点があるのかを,産婦人科医の立場から述べてみたい.

Drug Information 副作用情報・5

薬剤性ショック(3)—プロスタグランジン製剤投与後のショック死例

著者: 浜六郎

ページ範囲:P.1625 - P.1627

 今回は,薬剤性ショック(1)でも簡単に紹介した例を詳細に述べたい.重症のCOPD(慢性閉塞性呼吸器障害)の患者に二次的に生じた偽性腸閉塞(排便困難)に対してプロスタグランジン製剤を使用し(適応外),発熱・血圧上昇,投与終了後解熱,血圧の低下をきたし,ショック状態となって,心肺停止後,いったん蘇生したが,4ヵ月後に死亡した例である.医師が訴えられ,最近判決が下され,医師が敗訴している.

医道そぞろ歩き—医学史の視点から・16

権威に挑戦したヴェサリウス

著者: 二宮陸雄

ページ範囲:P.1628 - P.1629

 「人体構造論』(ファブリカ)の出版の後,ヴェサリウスはガレノス批判のゆえに権威者たちに非難され,四面楚歌のただ中に身を置く羽目になった.パリ時代の師シルビウスも,師と思うな,と書いてきた.この極めて実証的な記述解剖書が西欧の医師たちに与えた衝撃が消えやらぬ翌年の1544年に,ヴェサリウスはパドヴァ大学を去り,ベルギーのシャルル5世の宮廷臨床医の道を選んだ.
 ヴェサリウスは『ファブリカ』の中で,長い間欧州全域で疑問のない権威を保っていたガレノスの解剖学の誤りを指摘した.そして遠慮がちな言い回しではあったが,「ガレノスはかなり空想的である」とか,ガレノスの解剖書である「身体各部の役割について」が「空想的でないことを願う」とか,「ガレノスの無数の教義が全く信頼しがたいとは言わないが」とか,果ては「ガレノスは人体解剖をしたことがない」とさえ書いた.

連載

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.1597 - P.1603

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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