文献詳細
今月の主題 炎症性腸疾患治療のジャイアント・ステップス
治療を睨んだIBDの臨床診断学
IBDにおける発癌—内視鏡診断とサーベイランス
著者: 長廻紘12 藤盛孝博3 戸田潤子4
所属機関: 1群馬県立がんセンター 2東京女子医科大学消化器内科 3独協医科大学第2病理 4東京女子医科大学消化器内科
ページ範囲:P.1474 - P.1478
文献概要
●長期経過したIBDにおけるcolitic cancerの発生頻度は12.5%(5/40)であったとの報告がある1).一般の大腸癌の頻度や年齢で比較すると,長期経過IBD,特に潰瘍性大腸炎は大腸癌のhigh risk groupといえる.
●潰瘍性大腸炎におけるcolitic cancerは,①多発癌が多い,②平坦で浸潤性,境界不明瞭と特異な肉眼型を示す,③未分化癌が多い,④dysplasiaを伴うものが多い,などの特徴があげられる.
●微細な形態診断学的根拠を基にした内視鏡検査は,colitic cancerの早期診断に貢献できるであろう.
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