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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻8号

1996年08月発行

知っておきたい産科婦人科の疾患と知識・12

肥満,月経異常と多嚢胞性卵巣症候群

著者: 楢原久司1 江藤靖子1 宮川勇生1

所属機関: 1大分医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.1621 - P.1624

文献概要

 多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syn-drome:PCOS)は生殖年齢女性の約3%にみられ,排卵障害による月経異常や不妊,さらには多毛,にきび,肥満などの臨床症状を呈する症候群である.本邦では,肥満はPCOSの約20%に認められ,肥満のPCOSは非肥満のPCOSに比べて約2倍不妊となる率が高い.一方,肥満女性には月経異常の頻度が高いことが知られているが,PCOSの月経異常と,肥満ではあるがPCOSではない(非PCOS肥満)女性の月経異常が,同一の病態を共有しているかどうかについては一定した見解が得られていない.
 本稿では,PCOSの症例を呈示し,病態生理および肥満との関連について概説する.また,内科医として遭遇する機会が多い肥満患者に月経異常が合併した際,PCOSを含めどのような臨床上の問題点があるのかを,産婦人科医の立場から述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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