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今月の主題 レディースクリニック 妊娠中にみられる問題
妊娠と肝疾患
著者: 中園光一1 藤山重俊1
所属機関: 1熊本大学医学部第3内科
ページ範囲:P.1671 - P.1673
文献購入ページに移動●妊娠経過中の肝障害は,妊娠に特異的な疾患,偶発的疾患および以前よりある疾患に分けられる.
●妊娠に特異的な疾患としては,妊娠性脂肪肝や妊娠性肝内胆汁うっ滞などがある.それぞれ母体や胎児に及ぼす影響と予後が異なり,早期の診断が重要である.
●偶発的疾患としては,ウイルス性急性肝炎がもっとも多く,薬剤性肝障害や胆石症などもある.ウイルス性急性肝炎の多くは一過性の症状を示すが,稀に重症化・劇症化することがあるため,注意が必要である.
●妊娠前から存在する肝疾患としてはウイルス性慢性肝炎が多い.出産に際しては垂直感染の予防が必要であり,出産後も児への感染に注意を払うべきである.
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