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図解・病態のメカニズム 腎疾患・1
Alport症候群
著者: 吉岡加寿夫1
所属機関: 1近畿大学医学部小児科学
ページ範囲:P.151 - P.153
文献購入ページに移動Alport症候群は,遺伝性の進行性腎炎に神経性(感音性)難聴などの腎外症状を伴う疾患である.
病因
本症の原因は,基底膜の主要構成成分であるIV型コラーゲンの遺伝子異常であることが明らかになっている.IV型コラーゲンには,現在,α1鎖からα6鎖までの6種類のα鎖が存在することが知られており,その遺伝子はα1とα2,α3とα4,α5とα6という組み合わせでhand to handで結合した形で,各々染色体の13q,2q,Xqの上に位置している(図1).IV型コラーゲンは,α1鎖2本とα2鎖1本からなる三重らせん構造を一般的にはとっているが,腎ではこれ以外のα3,α4,α5,α6鎖が存在し,3つのα鎖の組み合わせで存在する.本症ではこのα鎖のネットワークの障害のため,糸球体基底膜に構造上の欠陥が生じる(図2).
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