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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻1号

1997年01月発行

文献概要

Drug Information 副作用情報・10

薬剤性徐脈による重篤な反応

著者: 浜六郎1

所属機関: 1阪南中央病院内科

ページ範囲:P.161 - P.164

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 ショックあるいは意識消失の際に考慮しなければならない病態のひとつは,徐脈によるAdams-Stokes症候群である.このような病態は,薬剤の関与なしでも生じうるが,それが薬剤により誘発されることもまた少なくない.特に,高血圧や狭心症など冠不全を生じやすい疾患に使用されることの多いカルシウム拮抗剤やβブロッカー,抗不整脈剤などが徐脈をきたしやすいので,とりわけその注意が必要だといえる.このほか,ジギタリス製剤,αブロッカーやH2ブロッカー,抗うつ剤,硝酸剤,神経因性膀胱治療のためのコリン作動薬などでも,AV(房室)ブロックや徐脈から失神発作を生じることがある.
 洞停止,SA(洞房)ブロック,AVブロックなどがあり,その下位の自動能が停止しておれば,徐脈性のAdams-Stokes症候群の原因となる.一方,洞停止やSAブロック,AVブロックなどがあっても,その下位の自動能が健常なら単に徐脈を生じるだけである.ただし,運動時に必要な心拍数が得られにくいことが多く,その状態が持続すればうっ血性心不全の原因となりうる.症状としては,息切れや狭心症,浮腫,起座呼吸などである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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