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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻11号

1997年10月発行

文献概要

増刊号 内科医のMRIとのつきあいかた イントロダクション

MRI造影剤の特性

著者: 河村泰孝1

所属機関: 1福井医科大学放射線科

ページ範囲:P.31 - P.41

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 最近のMR技術の進歩,装置の普及に伴い,造影MRI検査の重要性はますます高まっています.非特異的細胞外分布を示す各種のガドリニウム製剤が認可されており,さらに数種類のMRI造影剤が現在臨床試験中です.また臓器特異性造影剤として,つい最近,肝網内系特異性MRI造影剤(超常磁性酸化鉄粒子)が承認され,ほかにも肝臓やリンパ節などをターゲットにした数種類の特異性MRI造影剤が,一般臨床試験中または承認待ちの状態です.MR膵胆管撮影(MRCP)や一般腹部MRIの際に用いられるMRI用経口造影剤も使用可能です.当初,MRIには造影剤は必要ないとする意見もあったことを考えると,たいへん興味深い動向です.ただし,Lauterbar1)がそれまで波形解析として用いられていたMR信号を,初めて断層画像化して1973年に発表したずっと以前から,ガドリニウムなどの常磁性体がMR信号に強い影響を及ぼすことがBloenbergenやSolomonらにより検討されており2,3),ある意味では当然の成りゆきかという気もします.
 このようにMRI装置が広く普及し,造影剤も簡単に手に入ることから,もはや造影MRIは患者さんにとって特殊な検査ではなくなってきています.言い換えれば,一人の患者さんが場合によっては何回も造影MRI検査を受ける可能性があるわけで,MRI造影剤についての安全性や適応などについて,臨床医もある程度の知識を要求されることになります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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