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増刊号 内科医のMRIとのつきあいかた MRIの新しいテクノロジー
EPIの応用—脳梗塞の早期診断を中心として
著者: 前田正幸1 石井靖1
所属機関: 1福井医科大学放射線科
ページ範囲:P.311 - P.317
文献購入ページに移動 日本における脳血管性疾患は,高血圧など危険因子の管理や栄養の改善により重度の脳出血は少なくなり,このためかつては日本人の死因の第一位であった脳血管性疾患が悪性腫瘍,心疾患についで第3位にまで下がった.一方では,欧米型の食事の内容により内頸動脈のアテローム性動脈硬化が増加し,また虚血性心疾患の増加とそれに関連した心臓由来の塞栓がむしろ増えてきている.
CT,MRなどの画像診断の進歩は,急性期の脳血管疾患を正確に診断し,その後の適切な治療に貢献してきた.近年,超急性期(発症数時間以内)の塞栓性脳虚血に対して血栓溶解を行うことにより,虚血に陥っている組織を救おうという積極的な治療が試みられている.しかしながら,このような超急性期脳虚血に対してはCTを凌ぐ分解能を有するMRでも,虚血領域の正確な描出には無力であった1).1990年代初めより,米国の主要病院における臨床MR装置に登場しはじめ,昨年あたりからは本格的に日本においても導入されるようになったecho planar imaging(EPI)法は,その超高速撮像により,有用性が期待されていた撮像法(diffusion MR/perfusion MR)の臨床への普及を現実のものとした.
CT,MRなどの画像診断の進歩は,急性期の脳血管疾患を正確に診断し,その後の適切な治療に貢献してきた.近年,超急性期(発症数時間以内)の塞栓性脳虚血に対して血栓溶解を行うことにより,虚血に陥っている組織を救おうという積極的な治療が試みられている.しかしながら,このような超急性期脳虚血に対してはCTを凌ぐ分解能を有するMRでも,虚血領域の正確な描出には無力であった1).1990年代初めより,米国の主要病院における臨床MR装置に登場しはじめ,昨年あたりからは本格的に日本においても導入されるようになったecho planar imaging(EPI)法は,その超高速撮像により,有用性が期待されていた撮像法(diffusion MR/perfusion MR)の臨床への普及を現実のものとした.
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