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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻12号

1997年11月発行

文献概要

今月の主題 臨床医のための遺伝子工学 遺伝子の基礎知識

遺伝子の構造と機能

著者: 藤澤順一1

所属機関: 1関西医科大学微生物学講座

ページ範囲:P.2076 - P.2079

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ゲノムと遺伝子
 現在,世界的な規模でのゲノムプロジェクトが着実に進行し,これまでに10種類以上の生命体の全ゲノム構造が明らかとなっている.そのほとんどが,病原性微生物をはじめとする原核生物のゲノム構造であるが,ワクチンや化学療法剤開発における意義はいうまでもなく,約半数の機能不明の仮想的遺伝子を含めた1,000種類足らずの遺伝子の機能で生命活動を説明し得る状況になったことのインパクトは大きい.
 ヒトのゲノムはハプロイドあたり約3×109塩基対(bp)存在し,はじめてそのゲノム構造が明らかとなった生命体Haemophilus influenzae(1.8×106bp)の2,000倍にも達するが,そのなかでRNAとして転写される領域,すなわち遺伝子領域はたかだか10%に満たないとされている.残りのゲノム配列の大部分は,いわゆるjunk DNAで,個体レベルあるいは進化レベルでの遺伝子組み換えや遺伝子重複に関与している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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