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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻12号

1997年11月発行

文献概要

今月の主題 臨床医のための遺伝子工学 ベッドサイドで可能な遺伝子診断

高血圧解析

著者: 勝谷友宏1 檜垣實男1 荻原俊男1

所属機関: 1大阪大学医学部第4内科

ページ範囲:P.2104 - P.2107

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 高血圧症は臨床医が最も高頻度に接する疾患であり,日本には約3,000万人の患者が存在する.利尿剤しかなかった昔とは異なり,非常に多くの種類の降圧薬が市販され,あらゆる診療科で「血圧が高いですね.ではこのお薬を飲んでください」という光景がごく一般のものとなっている.しかし,食塩過剰摂取や喫煙が高血圧の増悪因子であることはよく知られているが,「高血圧」の原因はいまだ不明であり「本態性高血圧症」の病名を冠するものが9割以上を占めているのが現実である.高血圧に遺伝が関与することは理解されていても,それを診断補助に用いたり,患者への説明に用いられた方はほとんどないのではないだろうか.この5〜6年の間の急速な分子生物学的手法の進歩により,この「高血圧」という多因子遺伝性疾患が少しずつ解明されつつある.本稿では,病気を起こす原因遺伝子が明らかにされた「遺伝性高血圧」の紹介とその臨床像の特徴,また本態性高血圧症に罹患しやすくなると考えられる「疾患感受性遺伝子」の解析の現状について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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