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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻12号

1997年11月発行

文献概要

今月の主題 臨床医のための遺伝子工学 遺伝子工学の臨床への応用 基礎知識—遺伝子工学とは?

ノックアウト技術

著者: 深水昭吉1

所属機関: 1筑波大学応用生物化学系

ページ範囲:P.2125 - P.2128

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ノックアウトマウス作製
 ノックアウト技術は,遺伝子の機能を個体レベルで解析しようとする方法の一つで,現在様々な分野(発生,内分泌,転写,癌)で応用されている.この技術の出発点は,多分化能を有するマウス胚性幹細胞(embryonicstem cell:ES細胞)のin vitroでの継代培養を可能にしたことであった1)
 遺伝子ノックアウトマウス作製の第一段階は,ES細胞レベルにおいて相同組み換えによって目的の遺伝子を欠損させることである.導入した遺伝子が染色体に組み込まれる確率は103から104に1個程度であるから,遺伝子が導入されたものを選ぶための選別(positive selection)が必要である.ネオマイシン(neo)は蛋白質合成を阻害することによって細胞を死に至らしめる.neo耐性(aminoglycoside phosphotransferase)遺伝子はneoをリン酸化することによって,この蛋白質合成阻害作用を和らげる.よって,導入DNA内にneo耐性遺伝子を組み込んで発現させれば,導入したDNAが染色体に取り込まれた細胞のみを生き残らせることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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