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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻12号

1997年11月発行

今月の主題 臨床医のための遺伝子工学

疾患治療への遺伝子工学の応用:遺伝子治療に向けて 日本での現状

HIV感染症に対する遺伝子治療

著者: 松下修三1

所属機関: 1熊本大学エイズ学研究センター

ページ範囲:P.2163 - P.2165

文献概要

 ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus type-1:HIV-1)感染症に対する遺伝子治療には2つのストラテジーがある1).1つは標的細胞に抗ウイルス遺伝子を入れて細胞レベルで感染抵抗性にする方法で,もう1つはHIVに対する細胞性免疫を強化する方法である.筆者らの計画は後者の方法で,平成9年5月,文部省および厚生省の了承を得た.しかしその後,米国のベクター製造プラントで増殖可能レトロウイルス(replication competent retrovirus:RCR)が検出されるロットがあることがわかり,薬事審議会の遺伝子治療用医薬品調査会で再審議されることとなった.レトロウイルスベクターを用いる限り,ある確率でRCRが出現すると考えられ,どのような基準でRCR混入が否定されたものを安全とするのかが明確にされるべきだと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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