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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻12号

1997年11月発行

文献概要

今月の主題 臨床医のための遺伝子工学 遺伝子工学のトピックス

クローン技術

著者: 小関良宏1

所属機関: 1東京農工大学工学部生命工学科

ページ範囲:P.2195 - P.2197

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 「クローン」とは,「1つの生物体から由来する同じ遺伝子情報を持った生物の集団」ということと「それを無限に増やせる」という2つの条件を満たすものと考えることができる.しかし,これまで遺伝子操作において最も重要であった生物体,すなわちin vivoにおける外来DNA断片を含んだ「クローン」の考えかたは,PCR(polymerase chain reaction)法の開発によって大きく変化した.両端の塩基配列がわかっていれば,それらの配列に対するプライマーを用いて,PCRによってその両端に挟まれるDNA領域を無限に増幅することができるようになったためである.またinverse PCRなどを用いれば,その配列の外側部分,すなわちその配列の近傍のDNA領域を増幅することも可能である.すなわち,塩基配列が一部分わかっていれば,生物の助けを借りなくとも,PCR法によってDNA断片の「クローン」はinvitroで手軽に無限に増幅して得られるようになった.このため,塩基配列の相同性をプローブとして,vivoクローンをスクリーニングすることは少なくなりつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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