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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻12号

1997年11月発行

今月の主題 臨床医のための遺伝子工学

遺伝子工学のトピックス

遺伝子工学を利用した医薬品開発

著者: 宮崎洋1

所属機関: 1キリンビール(株)医薬探索研究所

ページ範囲:P.2202 - P.2204

文献概要

 バイオテクノロジーの中核をなす遺伝子工学の発達は,医薬品開発に飛躍的な発展をもたらしてきた.なかでも遺伝子工学の利用によって,ヒトの体内に微量しか存在しない蛋白性生理活性物質の遺伝子組み換え型が大量に得られるようになり,その医薬品化が成功したことは特筆に値する.
 世界初の組み換え医薬品は,1982年(わが国では1986年)に発売されたインスリンである.その後,成長ホルモン,インターフェロン,組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA:血栓溶解剤),エリスロポエチン(EPO:赤血球増多因子),顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF:好中球増多因子)などの組み換え医薬品が登場し,これまでにわが国で10種類以上もの組み換え医薬品が臨床応用されている(表1).さらに現在,組み換え医薬品の候補となる様々な組み換え蛋白質の薬理効果が動物実験や臨床試験で検討されている.本稿では,これらの中から,血球の分化に重要な役割を担っているEPO,G-CSF,および筆者らが最近クローニングしたトロンボポエチン(TPO:血小板増多因子)を具体的事例としてあげ,遺伝子工学を利用した医薬品開発について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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