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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻13号

1997年12月発行

文献概要

図解・病態のメカニズム 腎疾患・12

多発性嚢胞腎

著者: 柏木哲也1 飯野靖彦1 赫彰郎1

所属機関: 1日本医科大学第2内科

ページ範囲:P.2439 - P.2444

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概念
 多発性嚢胞腎は遺伝性疾患であり,常染色体優性多発性嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease:以下,ADPKD)と常染色体劣性多発性嚢胞腎(Autosomal RecessivePolycystic Kidney Disease:以下,ARPKD)の2つがある.ARPKDは6,000〜60.000人に1人の発生頻度であり,約75%は生後早期(数時間〜数日)で死亡し,生命予後が悪い.他の25%は20歳までにほとんどが腎不全となり,透析あるいは移植療法が必要になる.
 一方,ADPKDは米国では1,000人に1人と高率の発症(米国には20〜30万人)で,遺伝性腎疾患の中で最も頻度が高い.日本では1994年推定受領患者数15,000人で,このうち透析患者は5,000人で全透析患者(15万人)の3〜5%を占める.この疾患は腎肝膵に多発性嚢胞を認め,また気管支拡張症,脳動脈瘤,僧帽弁逸脱などを合併する頻度が高い.現在までに,PKD1遺伝子,PKD2遺伝子の2つの遺伝子異常が見つかっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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