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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻13号

1997年12月発行

文献概要

内科医が知っておきたい小児科学・最近の話題・12

乳幼児突然死症候群の現状と対策

著者: 太神和廣1

所属機関: 1太田綜合病院附属太田西ノ内病院小児科

ページ範囲:P.2451 - P.2454

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 わが国の乳児死亡率が世界でもトップクラスの低率であることは周知のとおりであるが,現在のわが国の乳児の死亡原因については,小児科以外の一般内科臨床医にはあまり知られていないと思われる.平成7年の人口動態統計においては,0歳乳児の死因順位は第1位が先天異常,第2位が周産期の呼吸障害,そして第3位が乳幼児突然死症候群(Sudden lnfant Death Syndrome;SIDS)であり,これは1歳未満の全死亡の10.4%を占め,この年にわが国では初めてSIDSが死因順位の上位にランクされた.このことは必ずしもSIDSがわが国で増加していることを意味するわけではないが,先進諸国においては新生児期を除く1歳までの間の乳児死亡に限るとSIDSが1位であることが多いので,この意味ではわが国の乳児死亡の原因も先進国の仲間入りをしたといえよう.
 乳幼児突然死症候群とは「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず,しかも死亡状況および剖検によってもその原因が不詳である乳幼児に突然の死をもたらした症候群」と定義されている1).この定義にもあるように,SIDSと診断するには厳密には剖検が必須である.なぜなら,乳幼児に突然の死をもたらすものには多くの病態が存在し,これらを除外する必要があるからである(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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