medicina34巻2号

1997年02月発行

今月の主題 アレルギー疾患の最近の考え方と治療

ここまで進んだ病態解明

気道の炎症性疾患としての喘息

著者： 佐野靖之¹

所属機関： ¹同愛記念病院アレルギー呼吸器科

ページ範囲：P.209 - P.214

文献概要

ポイント
●喘息患者の気道粘膜には，好酸球浸潤，EG2陽性細胞浸潤などが特徴的に認められる．
●サイトカインネットワークによるIL-5，IL-4などが，好酸球浸潤を主体としたアレルギー性炎症を増強する．
●炎症増悪時には，炎症細胞浸潤や免疫細胞浸潤は数十から数百倍へと増幅する．
●好酸球の活性化されたタイプがEG2陽性細胞である．
●ECPやMBPは好酸球由来の組織障害性蛋白である．
●喘息の特徴的病変として，気道粘膜上皮下に基底膜の肥厚が認められる．