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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻2号

1997年02月発行

文献概要

今月の主題 アレルギー疾患の最近の考え方と治療 アレルギー疾患治療薬の進歩

喘息におけるβ刺激薬の最近の考え方と使用法

著者: 榊原博樹1 大河原重栄1 佐藤元彦1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部呼吸器・アレルギー内科

ページ範囲:P.273 - P.277

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ポイント
●β刺激薬は喘息の急性増悪や運動誘発性喘息の予防における第一選択薬であり,主として定量噴霧型吸入器(metered-dose inhaler:MDI)で使用される.MDIの正しい操作方法を指導することは,喘息の管理のうえで極めて重要なポイントである.
●ネブライザーによるβ刺激薬の吸入は救急治療の中心を成すものであり,医師の監視下であれば,初期治療として1時間に3回,あるいはそれ以上の吸入も可能である.
●長期管理のためのβ刺激薬MDIは頓用で用いられるべきであり,その上限は1日3〜4回(6〜8パフ)である.
●β刺激薬MDIが1日5回以上必要な場合には,喘息のコントロールが不良な証拠であり,吸入ステロイドを併用するか増量するなどの治療のステップアップが必要である.
●β刺激薬MDIの過剰使用は,気道過敏性を増悪させて喘息のコントロールを不良にする.
●β刺激薬MDIに対する依存や過信は,受診の遅れから過剰使用と相まって喘息死の危険性を増す.
●中等量の吸入ステロイドを使用してもコントロールが不良な症例に対しては,吸入ステロイドの増量のほかに経口β刺激薬の併用をオプションとしてもよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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