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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻2号

1997年02月発行

図解・病態のメカニズム 腎疾患・2

Bartter症候群

著者: 柴垣有吾1 藤田敏郎1

所属機関: 1東京大学医学部第4内科

ページ範囲:P.385 - P.391

文献概要

概念
 1962年,Bartterは,低カリウム血症,代謝性アルカローシス,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAA)系の亢進を伴い,病理学的に腎の傍糸球体装置(juxtaglomerular apparatus)の過形成を認める症候群を提唱した1).本症候群では,二次性高アルドステロン血症を認めるにもかかわらず,浮腫や高血圧を認めないのが特徴である.この症候群の病因については諸説があり,生理学的解析からそれぞれヘンレループ上行脚太い部(TAL)のNa-K-2 Cl cotransporterが有力とされていたが,1996年,LiftonらのグループはBartter症候群の患者家系の遺伝子解析からNa-K-2Cl cotransporter2),K channel(ROMK)3)の遺伝子異常を見いだしたのである.
 最近では,Bartter症候群とほぼ同じ臨床的特徴を持つが,発症年齢,Ca, Mgの動態などに違いがあるGitelman症候群が知られており,今までBartter症候群と考えられていたものの多くがGitelman症候群であった可能性が考えられているが,詳細は次号にゆずりたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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