文献詳細
文献概要
図解・病態のメカニズム 腎疾患・3
Gitelman症候群
著者: 柴垣有吾1 内田俊也2
所属機関: 1東京大学医学部第4内科 2帝京大学医学部第1内科
ページ範囲:P.555 - P.560
文献購入ページに移動Bartter症候群が提唱1)されて4年後の1966年にGitelmanらは,Bartter症候群と類似の臨床的特徴(低カリウム血症性代謝性アルカローシス,高レニン高アルドステロン血症,血圧正常など)を持ち,腎喪失による低マグネシウム血症を特徴とする3症例を報告した2).その後,Bettinelliらはこれら2つの症候群が尿中Ca排泄量により鑑別される(Bartter's:hypercalciuria,Gitelman's:hypocalciuria)ことを示し,Gitelmanの症例をGitelman症候群と呼ぶことを提唱した3).臨床的には,Bartter症候群は年少児(5〜6歳以下)より発症し,高度な体液量喪失傾向を示すが,Gitelman症候群は年長児以降に発症し,体液量喪失傾向は少ない.
Gitelman症候群は生理学的解析から,接合部遠位尿細管(DCT)のNa-CI cotransporterの異常説が有力とされていた.そしてついに1996年,LiftonらのグループはGitelman症候群の患者家系の遺伝子解析からNa-CI cotransporter4)の遺伝子異常を見いだしたのである.
掲載誌情報