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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻5号

1997年05月発行

今月の主題 日常臨床にみる水・電解質と酸塩基平衡

Na代謝とその異常

高Na血症の鑑別診断

著者: 岡本日出数1 川村哲也1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学内科学講座第2

ページ範囲:P.864 - P.866

文献概要

ポイント
●血清Na濃度は,口渇刺激に基づく飲水行動と,脳下垂体後葉から分泌されるADHの腎での尿濃縮機構の2つの系で支配されている.
●高Na血症は高齢者,小児,意識障害者,中枢神経障害者に多くみられる.
●高Na血症の病態は体内総Na量によって,減少・正常・増加の3型に分類され,前二者はさらに腎性と腎外性の喪失に分類される.
●高Na血症の症候では中枢神経症状が重要である.急性の高Na血症では,脳容量の減少により脳出血をきたすことがあり,重篤である.慢性の高Na血症では,補正を急激に行うと脳浮腫になる危険性がある.
●入院患者における高Na血症は主に医原性であり,脱水,口渇障害,水分摂取に制限のある患者に対する不適切な輸液が原因である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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