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今月の主題 日常臨床にみる水・電解質と酸塩基平衡 酸塩基平衡とその異常
呼吸性アシドーシス・アルカローシスの治療
著者: 檀原高1 福地義之助1
所属機関: 1順天堂大学医学部呼吸器内科
ページ範囲:P.926 - P.928
文献購入ページに移動●図1本症の病態・治療のフローチャート
●健常人の動脈血pHは7.35〜7.45,炭酸ガス分圧(PaCO2)は35〜45Torrの範囲内にある.
●動脈血pHはHenderson-Hasselbalchの式(pH=6.1+log[HCO3-]/0.03×[PaCO2])で規定される.
●PaCO2の蓄積によるpH低下を呼吸性アシドーシス,PaCO2の減少によるpH上昇を呼吸性アルカローシスという.
●動脈血酸素分圧(PaO2)は肺胞換気量の増減に相関して,肺胞気酸素分圧(PAO2)との間に一定の較差(肺胞気・動脈血酸素分圧較差:A-aDO2)を保ちながら増減する.
●炭酸ガスは酸素の約30倍の拡散能をもつため,肺胞気炭酸ガス分圧(PACO2)とPaCO2との較差はなく,肺胞換気量と逆相関する.
●PaO2の低下では肺胞低換気以外に,右左シャント,換気血流不均等,拡散障害もみられる.
●呼吸性アシドーシス・呼吸性アルカローシスでは,適切な肺胞換気量を維持するかあるいは調節するかが基本的な治療の戦略となる.
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