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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻5号

1997年05月発行

図解・病態のメカニズム 腎疾患・5

Kチャネルとその異常

著者: 鈴木誠1

所属機関: 1自治医科大学薬理学

ページ範囲:P.959 - P.964

文献概要

 Kチャネルは言うまでもなく,興奮性膜においては活動電位,非興奮性膜においては膜電位の維持やKの輸送に大きく関わる蛋白質である.現在では大きく2つのチャネルのグループがあり,1つは6回膜貫通蛋白である電位依存性Kチャネル(Kv)で,もう1つは2回膜貫通蛋白である内向き整流性K+チャネル(Kir)のファミリーである.
 腎臓においては,KvチャネルはKv1のファミリーがあるとされているが,生理的な意味はわかっていない.KirではROMK(Kir 1),Kab(Kir 3),CIR,u-KATP(Kir 6)などが腎臓に存在している.これらの2回膜貫通型チャネルは,SUR(sulfonylurea受容体)とともに機能単位をなすものがある.このほかには,Ca-dependent K(maxiK)や,intermediate conductance Kチャネルがあるほか,8回膜貫通型のKチャネルも報告されている(ASN,New Oleans,1996).Kチャネルの異常は,循環器領域におけるQT延長症候群が有名である.電解質代謝についてはBartter症候群がその可能性を指摘されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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