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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻6号

1997年06月発行

文献概要

今月の主題 白血病—日常の診療に必要な知識 白血病発症のメカニズムと疫学

現在考えられている白血病の原因

著者: 澤田賢一1

所属機関: 1北海道大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1033 - P.1035

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ポイント
●白血病の成因には,遺伝的要因,放射線,化学物質,ウイルス,癌遺伝子の活性化と癌抑制遺伝子の不活化などが関与する.
●遺伝的要因のうち,一卵性双生児の片方が白血病の場合,もう一方が白血病を発症する確率は10歳までに20%である.その他の兄弟間の遺伝的関連は明らかでない.
●骨髄の被曝線量と白血病発生率は直線的相関を持つ.
●化学物質による白血病発症は,過去にはベンゼンなどの有機化合物,現在はアルキル化剤などの抗癌剤による二次性白血病が多い.頻度は10〜15%で急性骨髄性白血病がほとんどである.
●成人T細胞白血病(ATL)ウイルス(HTLV)とEBウイルス(EBV)は,それぞれに特徴的な遺伝子領域を介して転写制御因子を活性化し,細胞の腫瘍化に関与する.
●癌遺伝子の活性化および癌抑制因子の不活化は,シグナル伝達の異常を介して細胞増殖に働き,白血病化に関与する.
●まず一つの細胞に遺伝子変化が起こり,その細胞あるいは子孫の細胞に次々と遺伝子変化が重なって生じることにより白血病が生じる(発癌の多段階説).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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