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医道そぞろ歩き—医学史の視点から・26
甲状腺機能亢進症を記載した人びと
著者: 二宮陸雄1
所属機関: 1二宮内科
ページ範囲:P.1238 - P.1239
文献購入ページに移動ローマのフラヤーニは1802年に,「前頸部の甲状腺腫瘍について」という論文で機能亢進を伴う2例を記載した.その1人は22歳のスペイン系の塗装工で,フラヤーニは何度も瀉血をしている.パリーは牛痘種痘のジェンナーの幼なじみで,エディンバラで医学を学んだ後イングランド南西部のバースの総合病院で働いていた医師であるが,1786年に初めて症例に接し,8例をまとめて「心臓肥大や動悸を伴う甲状腺腫大」を記載したが,その主要部分は1825年,彼が死んだ後で公刊された.第1例の37歳の女性は毎分156の頻脈で,心搏動のたびに胸壁が震えたという.
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