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内科医が知っておきたい小児科学・最近の話題・8
小児の事故とその予防
著者: 山中龍宏1
所属機関: 1こどもの城小児保健部
ページ範囲:P.1663 - P.1666
文献購入ページに移動わが国の小児の不慮の事故の実態
わが国では,1960年以降現在まで,0歳を除いた1〜19歳の小児の死因の第1位は「不慮の事故および有害作用」となっている.1995年度の0〜19歳の不慮の事故による年間死亡数は3,623で,このうち交通事故が53%,溺死が12%,機械的窒息が10%を占めていたが,死因は小児の年齢によって大きく異なっている.機械的窒息のほぼ2/3は0歳児であり,これは不慮の事故ではなく乳幼児突然死症候群である可能性が高い.
死亡に至らない事故の頻度について,年齢層別に表1に示した1).これら医療を必要とする事故のほかに,乳幼児では死亡1件に対して家庭で処置を必要とした事故は10万件,無処置で様子をみた事故は19万件と推定されており2),毎日膨大な数の事故が発生している.最近20年間のわが国の小児の事故の動向をみると,死亡数は減少しているが,医療機関を受診したり入院した事故の発生率は変化していない.これらより,「事故」は小児の健康に関わる最も重要な問題となっている.
わが国では,1960年以降現在まで,0歳を除いた1〜19歳の小児の死因の第1位は「不慮の事故および有害作用」となっている.1995年度の0〜19歳の不慮の事故による年間死亡数は3,623で,このうち交通事故が53%,溺死が12%,機械的窒息が10%を占めていたが,死因は小児の年齢によって大きく異なっている.機械的窒息のほぼ2/3は0歳児であり,これは不慮の事故ではなく乳幼児突然死症候群である可能性が高い.
死亡に至らない事故の頻度について,年齢層別に表1に示した1).これら医療を必要とする事故のほかに,乳幼児では死亡1件に対して家庭で処置を必要とした事故は10万件,無処置で様子をみた事故は19万件と推定されており2),毎日膨大な数の事故が発生している.最近20年間のわが国の小児の事故の動向をみると,死亡数は減少しているが,医療機関を受診したり入院した事故の発生率は変化していない.これらより,「事故」は小児の健康に関わる最も重要な問題となっている.
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