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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻8号

1997年08月発行

文献概要

医道そぞろ歩き—医学史の視点から・28

ドブスンの糖尿病代謝異常説

著者: 二宮陸雄1

所属機関: 1二宮内科

ページ範囲:P.1672 - P.1673

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 今から200年前の1770年代のイギリスでは,糖尿病は胃の病気とか腎臓の病気とかいわれていた.アウエンブルッガーの打診法やラエンネックの聴診法の発明よりも30年も前の頃で,フェーリングの尿糖定量法もまだ発明されておらず,糖尿病の尿は舌で味わったり,布の上に滴下して粘り気をみて調べていた.
 エディンバラ大学を出たドブスンが開業のかたわらリヴァプール王立施療院に勤務したのは,1770年からの10年間である.ドブスンは,エディンバラ大学で内科医カレンの下で蒸散による体温低下の実験をしたことがあり,施療院でも高温室を作って,助手を「卵が3つ半熟になるまで」閉じ込めたりしていた.まだ大量瀉血療法が日常行われていた時代のことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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