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文献詳細

雑誌文献

medicina34巻9号

1997年09月発行

文献概要

医道そぞろ歩き—医学史の視点から・29

ジギタリスを発見したウィザリング

著者: 二宮陸雄1

所属機関: 1二宮内科

ページ範囲:P.1866 - P.1867

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 エディンバラ大学を出たウィザリングが「キツネの手袋」(Foxglove)を初めて水腫病の治療に使ったのは1775年,彼が34歳のときである.当時,彼は連鎖状球菌咽頭炎の論文で医師となり,故郷に近いウエリントンで開業していた.植物が好きで,余暇を植物の研究で過ごしていた.
 ジギタリスの研究を始めたきっかけについて,ウィザリングは後(1785年)にまとめた著書「キツネの手袋とその医学的利用のいくつかの話.水腫とその他の病気に関する実際的記述を付す」の中で次のように述べている.「1775年に私は水腫病の家伝秘薬について意見を求められた.シュロプシャイヤの老婦人が長い間秘密にしていた薬で,この人は医者が匙を投げた患者を治していた.激しい嘔吐や下痢を招くことは知っていたが,利尿作用には気づいていなかった.この薬は20種もの薬草を調合したものだが,有効なのはキツネの手袋だけだとすぐに分かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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