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医道そぞろ歩き—医学史の視点から・29
ジギタリスを発見したウィザリング
著者: 二宮陸雄1
所属機関: 1二宮内科
ページ範囲:P.1866 - P.1867
文献購入ページに移動 エディンバラ大学を出たウィザリングが「キツネの手袋」(Foxglove)を初めて水腫病の治療に使ったのは1775年,彼が34歳のときである.当時,彼は連鎖状球菌咽頭炎の論文で医師となり,故郷に近いウエリントンで開業していた.植物が好きで,余暇を植物の研究で過ごしていた.
ジギタリスの研究を始めたきっかけについて,ウィザリングは後(1785年)にまとめた著書「キツネの手袋とその医学的利用のいくつかの話.水腫とその他の病気に関する実際的記述を付す」の中で次のように述べている.「1775年に私は水腫病の家伝秘薬について意見を求められた.シュロプシャイヤの老婦人が長い間秘密にしていた薬で,この人は医者が匙を投げた患者を治していた.激しい嘔吐や下痢を招くことは知っていたが,利尿作用には気づいていなかった.この薬は20種もの薬草を調合したものだが,有効なのはキツネの手袋だけだとすぐに分かった.
ジギタリスの研究を始めたきっかけについて,ウィザリングは後(1785年)にまとめた著書「キツネの手袋とその医学的利用のいくつかの話.水腫とその他の病気に関する実際的記述を付す」の中で次のように述べている.「1775年に私は水腫病の家伝秘薬について意見を求められた.シュロプシャイヤの老婦人が長い間秘密にしていた薬で,この人は医者が匙を投げた患者を治していた.激しい嘔吐や下痢を招くことは知っていたが,利尿作用には気づいていなかった.この薬は20種もの薬草を調合したものだが,有効なのはキツネの手袋だけだとすぐに分かった.
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