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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻1号

1998年01月発行

文献概要

カラーグラフ 感染症グローバリゼーション・10

最近海外渡航者や外国人就労者にみられた経口感染性蠕虫性疾患—(回虫症,鉤虫症,鞭虫症,肺吸虫症について)

著者: 西山利正12 石田高明3

所属機関: 1奈良県立医科大学寄生虫学教室 2奈良県海外渡航者健康相談事務局 3信愛会新生病院内科

ページ範囲:P.145 - P.151

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 わが国では1953年前後より,回虫(Ascarislumblicoides,Roundworm)・鉤虫(Hookworms)・鞭虫(Tricuris trichiura,Whipworm)を中心とした消化管寄生蠕虫の撲滅運動が積極的に行われ,一時これらの寄生虫疾患は臨床の場ではほとんどみられなくなってきていた.ところが最近,自然食の流行,土壌媒介性寄生虫浸淫地への渡航者の増加により,これらの消化管寄生蠕虫が再び増加する兆しをみせている.また,タイや中国,韓国などの外国人就労者が自国の食習慣の延長で,わが国で肺吸虫(Paragonimus spp.)の第二中間宿主であるサワガニやモクズガニなどの淡水産のカニを不用意に生食することにより,肺吸虫症を発症していることが報告されている.
 このように,今回は海外との人的交流が著しく増加することにより再び経験されだした,わが国では古典的な寄生虫蠕虫性疾患のいくつか(感染経路を図1に示す)を述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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