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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻10号

1998年10月発行

文献概要

今月の主題 膠原病・リウマチ性疾患 Overview

リウマチ性疾患の成因

著者: 塩澤俊一1

所属機関: 1神戸大学医学部保健学科

ページ範囲:P.1678 - P.1680

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膠原病の特徴
 膠原病にはしばしば同一の臨床所見や病理変化が重複して見いだされる.これは膠原病の一つの大きな特徴であるが,特徴的のみならず,発症病因に深く結びついていると考えられる.
 膠原病では,個体の免疫システムが個々の部品でなくシステムとして変調をきたしていて,システムの乱れかたは各人で遺伝的に規定されて各様であり,強調されて表現された様々な症候が「疾患」を形づくる.疾患はちょうど根幹にある共通の免疫異常が枝分かれしてできた木の枝に似て,枝分かれ以前の共通部分には重複(overlap)が存在し,その様式は二つの疾患が完全に重複するもの,一つの疾患にほかの疾患が部分的に重複するもの〔例えば全身性エリテマトーデス(SLE)に出現するリウマチ因子など〕,あるいは二つが不完全に重複する(undifferentiated)ものなどに分かれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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