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図解・病態のメカニズム 膵疾患・10
膵癌—分子生物学からみた膵発癌および膵癌における化学療法の現況
著者: 船越顕博1 若杉英之1
所属機関: 1国立病院九州がんセンター消化器部
ページ範囲:P.1833 - P.1837
文献購入ページに移動膵癌のリスクファクターとして,糖尿病,胆石症,慢性膵炎が一般的に考えられている.その他の因子としては,喫煙,アルコール摂取,高脂肪食摂取などが指摘されているが,いずれも確定的なものではない.そこで,本稿では膵癌の発癌機構を考えるうえで,癌遺伝子診断,特にK-ras遺伝子異常について述べ,さらに最近筆者らが注目している,UGP(urinary gonadotropin peptide)の膵癌診断における意義について記載する.また最後に,徐々にではあるが進行膵癌に対して延命効果のみられる放射線化学療法についても,一部記載する.
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