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文献詳細

雑誌文献

medicina35巻10号

1998年10月発行

文献概要

図解・病態のメカニズム 膵疾患・10

膵癌—分子生物学からみた膵発癌および膵癌における化学療法の現況

著者: 船越顕博1 若杉英之1

所属機関: 1国立病院九州がんセンター消化器部

ページ範囲:P.1833 - P.1837

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 膵癌は近年さらに増加傾向にあり,死亡率は人口10万人あたり年間12〜13人と推定されている.しかも60〜70歳代の高齢者に多く,予後不良悪性腫瘍の代表である.早期診断について,画像診断の進歩をはじめ種々の試みがなされているが,いずれも十分とはいえないのが現状である.
 膵癌のリスクファクターとして,糖尿病,胆石症,慢性膵炎が一般的に考えられている.その他の因子としては,喫煙,アルコール摂取,高脂肪食摂取などが指摘されているが,いずれも確定的なものではない.そこで,本稿では膵癌の発癌機構を考えるうえで,癌遺伝子診断,特にK-ras遺伝子異常について述べ,さらに最近筆者らが注目している,UGP(urinary gonadotropin peptide)の膵癌診断における意義について記載する.また最後に,徐々にではあるが進行膵癌に対して延命効果のみられる放射線化学療法についても,一部記載する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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