icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina35巻11号

1998年10月発行

文献概要

内科エマージェンシー 私の経験

セファクロルによるアナフィラキシーの一例

著者: 藤森勝也1 高橋美千代2 鈴木栄一3 荒川正昭3

所属機関: 1新潟県立新発田病院内科 2新潟県立新発田病院皮膚科 3新潟大学医学部第2内科

ページ範囲:P.46 - P.46

文献購入ページに移動
 アナフィラキシーは重要な内科エマージェンシーである.ここでは,救急外来で経験したセファクロルによるアナフィラキシーの一例を提示する.治療には,エピネフリンの皮下注射,輸液と酸素吸入,ネオフィリン.塩酸ドパミン・メチルプレドニゾロンの点滴静注が有効であった.また,原因薬剤決定には,スクラッチテストが有用であった.
 症例提示:症例は48歳,女性.1997年12月上旬より咽頭痛,咳嗽があり,12月11日,近医でセファクロル,ジフルニサル,アルジオキサ,リン酸ベンプロペリンを処方された.同日午後8時過ぎに4種類の薬剤を内服した.8時30分前後に全身の痒みのある皮疹,胸内苦悶が出現し,8時45分に当院救急外来を受診した,身体所見では,意識は清明.脈拍85/min,収縮期血圧1000mmHg,SpO298%,全身に発赤し,紅皮症様であった.薬剤による発疹と考え,輸液とコハク酸メチルプレドニゾロンの点滴静注を開始した(9時前後)事この間に喉頭喘鳴も加わり,収縮期血圧60mmHg,脈拍微弱,脈拍数60/min,SpO285%となり,アナフィラキシーと診断した.酸素吸入とエピネフリン1,000倍液(ボスミン®)0.3mlの皮下注射をすぐに行い,さらにネオフィリンと塩酸ドパミンの点滴静注を開始した.また,持続的な心電図と血圧のモニターを開始した.エピネフリン皮下注射は合計3回行った.その後も嘔気,頭痛,胸内苦悶が約2時間続いた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?